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第6話
私はこのマスターの語る話に引き込まれていた。思い返せば、現在私はほとんど人との関わりを持っていない。
いや、昔は多少なりあったはずなのだ、だが何かを境に人と関わることを辞めたのだ。
ただ、その何かが何なのかは全く思い出せない。
いや、思い出そうとすらしていなかったのだ。1人でいる方が楽だと自分に言い聞かせて他人と関わることから逃げていたのかもしれない。
マトリョシカは相変わらず私をバカにしたような顔でこちらを見つめている。
ふと顔をあげると奥に何かを取りにでも行っているのだろうか、マスターの姿は見えなかった。
蓋を開けてみれば何かを見つけることができる。さきほどマスターが言っていた事をもう一度誰かが言った気がした。
私はもう一度顔を上げ、マスターの姿が見えないことを確認するとマトリョシカを手に取り、ゆっくりとマトリョシカを開けてみた。
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