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第2話 嗚呼、死んでしまうとは(本当に)なさけない 2

はあ…………… また、犬死にしやがったコイツ…………  王都オリスのとある路地裏。  女性警官の目の前には血だまりの中心で若い女性(バカ)がうつ伏せ――転んだのだろうか?――になって息絶えている。 「……フリー……これで何度目だよ……」  そう呟きつつ、うつ伏せになった死体(同僚)のを足で雑に仰向けにする。  その死体(犬死に娘)の胸部には、深々とナイフが刺さっている。  恐らくは追跡中に刺されたのだろう。 「……あんな逃げるだけの雑魚に刺されるとは…………あー初期化(フォーマット)は何分後だっけなぁ」  女性警官はノロノロと制服のポケットから懐中時計を取り出す……と、その時。  突然、。 「あ、今か」  こんな状況でも女性警官はあまり驚かない所か逆に納得したような態度をであった。  いや、こんな当たり前の事はこの国の国民、この世界の大半の人々でも驚かないだろう。 「おっといけない、忘れる所だった」  女性警官――メリーは、死体(フリードニーニ)の胸部に刺さったナイフをまるで庭に生えた雑草の如く雑に引き抜く。  死体(友人)の傷口から血液がタラタラと溢れる。しかし、その傷口は一秒ごとにポコポコと泡を立てふさがれていった。  メリーはその現象を見届けると、ふと空を見上げる。  空には、王都に複数設置されている霊脈接続式投影機(プロジェクター)によって投影された『蘇生(リサスィティクション)』の魔方陣が緑色に光輝いている。  まるでオーラで包み込むかの如く、まるで何かの宗教に出てくる聖母や女神のように優しく見守るかの如く…………まるで生を閉じ込めるかの如く、その魔方陣は光輝いていた。  この世界にはかつて『勇者と魔王の戦い』があった。  まだこの世界が『剣と魔術とステータス概念の時代』だった頃。強大な力を持つ邪悪な魔王が世界を征服しようと企み、人々を恐怖に(おとしい)れようと軍を率いて進行を進める中、何処からか突然「自分は異世界からきた勇者だ」と名乗る男が現れた。  その男は、当時ではあり得ないスキルや高度な知恵を持っており魔王軍を蹂躙し、なんと約半年で魔王を討伐したとされている。    そんな戦いから約千年の時が経ち、戦いは歴史に刻まれ、その跡地は遺跡になった。  石作りの家は魔術で強化された鉄筋コンクリートになり、  石畳の道は霊脈の位置や環境等の関係からコンクリートは使われず、  高い高い城壁は結界になり、  戦士の装備は鋼の鎧からカーボンと人工ミスリルの防護服になり、  神秘は魔術に、魔物は邪悪な獣からただの生物にジャンル分けされ研究が進む。  銃の発明によって、千年の間に数回ほど市民による革命がおき、  そして、遂に人間達は『人工的に作られた加護をステータスに刷り込み、死んでも蘇生できるようになる技術』――『不死の加護システム』を産み出した。この技術の発明によって、この世界の大半の人々の『本物の』死に方はたったの二種類になり、死への認識が変化しつつあった。  ある国のとある学者はこんな世界の事をこう言った。  『蘇生式不死世界』と。                                    
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