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第7話「師匠!?」

 メイルとダイは、夜のレストランに来ていた。  昼間は街を見ていくだけで精一杯で、食事を摂れていなかったメイルは色々と注文していた。 「なんで君も一緒なんだ。勝手にしろとは言ったが、付いてきていいとは言ってないぞ」 「ライバルが一緒じゃ飯も食えないってか? 戦士あるもの、どんなときでも食事は大事だ」 「そうじゃない。行くとこ行くとこいられたら、僕の行動が制限されるだろう」 「ありゃ? 俺の事なんかどうでもいいんだろ? 俺がどこにいようが、どうでもいいんだろ?」  ダイは飄々とした態度で食事を摂る。メイルが頼んだ料理もお構い無くだ。 「……君の目的は何だ? 僕に固執する理由は何だ? 目的を話せ。このままでは、いろいろと警戒せざるを得ないぞ」 「俺に興味津々? ようやくライバルの存在を認めたか」 「勘違いをするな。僕は君に興味ない。忘れるな」 「まあいい。お前をライバル視している理由は、同じ精進の儀を受けている十歳だからだ」 「僕をどこで知った?」 「俺、ちょくちょくお前の住む街へと足を運ぶんだ。そんときに広場で遊んでいたお前を見かけたんだ。そして確信した。お前を見たとき、俺のライバルになるとな」 「それだけの理由で僕は追われていたのか」 「理由なんて所詮は理屈の一部に過ぎない。説明なんて無駄なことだ」 「食えない奴だ」 「そう簡単に食われてたまるかってやつだ。ライバルよ」 「目的は何だ?」 「ライバルを超すために修業も兼ねて旅をしている。この街に来たのだってちゃんとした理由がある」 「何だ」 「(コア)の修業だ」 「こあ……とは何だ?」 「(コア)を知らない!? そいつは驚いた」 「ちっ……。いいから説明しろ。僕を怒らせると、ろくなことにならんぞ」 「分かった。特別に教えてやろうじゃないか、(コア)を、ね」  ダイはテーブルの上に両手を広げて見せてきた。 「ほら、触ってみな」  ダイに促され戸惑いながらも触れてみる。  ダイの両手は異常に冷たく、メイルは理解が出来なかった。 「……冷え性なのか?」 「そう思う? ところがどっこい」  ダイの両手が急激に熱くなる。メイルは戸惑いを隠せない。そんなメイルの反応に、ダイはクスクスと笑いながらからかっていた。 「これが(コア)の片鱗。(コア)とは、人間なら誰でも秘めている力の事だ。(コア)を目覚めさせたいのなら努力が一番の近道だ」 「どう努力すればいい?」 「おや、俺のことなんか興味ないんじゃなかったっけ?」 「僕がわざわざ君の話を聞いてあげているんだ。僕と会話できることに感謝するべきだぞ。さあ、コツを教えるんだ」 「偉そうに。人から教えを請う態度じゃないよ」 「ふん! その気がないのなら話をするな」 「そうやってふて腐れない。誰も教えないとは言ってないじゃないか」  メイルをからかうのを楽しんでいたダイだが、これ以上メイルの機嫌を損ねるのは危険と思ったのか、態度を改めてメイルに向かい合う。 「俺、正直いって、人に何かを教えるのは苦手で。俺の師匠なら上手いことやるんだけど、師匠は気分屋だし居場所も分からない。そんな俺でもよければ、力になってあげてもいいよ」 「誰かに下手に出るのは抵抗あるが、それでも僕はチャンスを逃がすわけにはいかないんだ」 「……決まりだね。そうと決まれば早速だけど……」 「何だ?」 「……俺のことを“師匠”と呼びたまえ!」 「ク、クソッタレ」  メイルは、自分のプライドと戦っていた。そんなメイルを見ながら、ダイは食事に舌鼓を打っていた。
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