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第40話「帰還へ」

「ふぅ。振り続けていると疲れる。剣を振っているつもりが、剣に振られているようだ」  お婆さんから譲り受けた剣を振っているメイルの額には、じんわりと汗が滲み出ていた。 「メイルがその剣を使えるようになれば、向かうところ敵なしなのだよ」 「だといいがな。実際はそうはいかないだろう」 「そうかなあ? あのリバルナ盗賊ってのも、今のメイルでも勝てちゃうんじゃない?」 「そうだといいんだかな。僕の倒したいやつは、あんな盗賊なんか敵じゃないだろうし」 「メイルは何でそんなに強くなりたいのだよ?」 「倒したいやつは、僕の師匠の師匠を殺したんだ。なんとしても仇を討ちたい」 「そうだったの……。ボク、全然知らなかったよ……なんかごめん」 「メルが謝る必要なんかないぞ。僕の方こそ、君に何も言わずにすまなかった。変に気を遣われるのが嫌だったんだ」 「ボクは、いつでもメイルのことを思っているのだよ。そんなことを今更言われても困るのだよ」  ニコニコと言ってのけるメル。その表情には余裕が見えた。剣を背中の鞘に納めると、メイルは暫く考え込んだ。何度かメルの顔色を窺うと、意を決したように遠くを見た。 「メル。僕の師匠に会いに行こうと思うんだが、来た道を戻ることになってしまう。行く街にいるかどうかも分からない。君はどうする?」 「今更な質問なのだよ。ボクは、メイルと一緒にいるのだよ。いつまでも」 「……それが聞きたかったのさ」  メイルはメルと共に、師匠であるダイのところへ向かっていく。ここまでの旅路では軽く感じた背中が、今は重く感じるメイルであった。
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