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第37話「お花畑」

 ウルたちがギルとの戦いを繰り広げているころ、メイルとメルは花に囲まれていた。 「お花畑なのだよ! メイル。色んな香りがするのだよ!」 「そんなに走り回ることはないだろ」 「お花の香りはボクの心の燃料なのだよ」 「意味が分からん」  花の香りに誘われて、蝶や蜂が寄ってくる。蝶はともかく、蜂に驚いたメルはメイルの後ろに隠れた。 「僕を盾にする気か!?」 「守っておくれ、愛しの騎士(ナイト)様」  ぴったりと密着するメル。そのため、メイルにはメルの匂いが香っていた。 (世話が焼けるお姫様だ)  瞳術を使い蜂を見る。捉えた蜂はみるみる弱っていく。花の絨毯へと落下した蜂は、大人しく蜜を吸っていた。 「ありがとうメイル」 「いちいち抱きつかんでいい。ほれ、周りがジロジロ見ているぞ」 「気にしなーい、気にしなーいのだよ」 「……僕が気にするんだがな……」  そんなことを言っていながら、メイルの顔は満更でもなさそうだった。と、密着状態のメルのお腹から食事の催促が聞こえた。 「花の香りじゃあ、胃は満たせないようだな」 「面目ないのだよ」 「何故謝る。食事は大事じゃないか」 「そうなのだが」  顔を赤らめるメルだったが、メイルに気にしてもらえる事は満更でもなかった。二人は、近くのお店で食事を済ますことにした。 ※ ※ ※ 「美味しいのだよ!」 「本当に幸せそうに食べるんだな」 「メイルと一緒だからなのだよ」  メルの笑顔に弱いことを自覚してきたのか、あまり顔を見ることをしないでいる。そのことをメルは察しているのか、テーブルの身を乗り出してメイルの顔を覗く。メイルの顔が赤くなる。顔を近づけたメル自身も顔を赤らめてしまっていた。 「しょ、食事中くらい、静かにできないのか」 「少し舞い上がってしまったのだよ」  メイルに言われたからなのか、大人しく食事を摂るメル。その様子を見たメイルは少し反省した。 (しまった……言い過ぎた。配慮が足りなかったか)  メルを警戒しつつ、しかし正直見惚れつつ、メイルも食事をしていた。
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