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第19話「鉄拳制裁」
「どしたどしたどした! フウマを倒した勢いはどうしたんだ」
「とことん殺り合いたいんなら、せめて列車から降りようぜ」
「嫌だね。巻き添えがいなくなるもんね」
「最初から死ぬ気だったんだな、テメエら」
「精進の儀なんか乗り越えても何にも得るものなんかない。ならば、好き放題やって死ぬ方がいい。ねえねえねえ、いい考えでしょう」
「巻き添え喰らう側の気持ちはお構い無しって」
「一緒に死んでね」
ライの鎧が赤くなる。それは爆発するカウントダウンに入ったことを意味していた。
「「いやああああ!!」」
乗客の悲鳴が車内に響く。生き地獄とはこういう事なのか。ウルはティタに指で合図する。
それを見たティタは、すぐにそれを理解すると、列車の壁に触れる。
(いきなり高度な注文よ)
車両がみるみる粉々になっていく。ライは突然のことに動揺を隠せない。乗客は驚きつつも一気に外へと出ていった。
「フウマだって出来たんだから、私だってできると思っただけよ」
「ち、ち、ちぃいい……ちくしょう!」
「ティタ、鎧を何とかできないか」
「無理よ。触れなきゃどうしようも……戻せるなら自分でなんとかするでしょうよ」
「死ぬ死ぬ死ぬ!?」
ライの鎧が一気に膨れ上がる。最期の断末魔と共に、ライは爆炎に包まれた。
「……自業自得だってんだ……」
ウルの言葉は届かない。容赦なくライに制裁が下された。
爆発の音でフウマが目を覚ます。そのフウマを出迎えたのは、ウルの容赦ない鉄拳だった。
「生きてることに感謝しろ!」
フウマを殴った右手はジンジンと痺れていた。
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