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第2話

”キーンコーンカーンコーン” 静まり帰った教室に響く鐘の音。 さっきまで聞こえた時計の針が動く音も一瞬でかき消される。 ガラガラガラ 担任の宮下が入って来た。 「ホームルームの時間だぞ〜。」 いつもと変わらない声で宮下が言った。 「それでは出席をとるぞ‥」 ”ガタンッ” 宮下の声を妨げるように椅子を引きずる音が響く。 そして,学級委員”中野”の声が響く。 「先生!なんでそんなに普通にしてられるの⁉ 一ヶ月後に私達は死ぬんですよ⁉  なのに、なんでそんなに‥  それに政治は何をやっているのよ‥!本当に私達死ぬの‥⁉  私達はまだ高校生だし、明日生まれる子も、まだ全然小さい子もいるのに‥  その人達を皆殺しにするの⁉  ねぇ!先生っ!」 いつもはこんな大声を出すことはない中野には視線が集まっていた。 負けないぐらいの大きさで宮下が返す。 「そんなの先生に言ったって仕方ないだろ!  先生は大人でも何かができるわけじゃないんだ!  先生だって死にたくない!今は奥さんもいて、お腹には子供もいるんだ!  政治だって今話し合ってる!  ”こんな世界を望んだ奴なんていないんだ”!」 「でも‥!」 そんな中野の言葉をさえぎって海斗が言った。 「黙れ!!!」 「ここで騒いでも何も変わらない!  変わらず明日は来る!」 海斗が言う事は当たり前の事だった。 普通で、誰もが分かっていることだ。 「すまん、ではホームルームを始めるぞ‥。」 不安が無い人などいない。 時計の針の音が、かすかに聞こえる_。
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