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別れ
「ゆうたっ…」
声が聞こえる。俺は顔をグッと起こし、彼女を見る。
彼女は下半身から徐々に消えていっている。
「さくらっ!やだっ!消えんなっ!」
涙が出てくる。消えていくことは止めれるわけがない。
「ゆうた…」
彼女は泣きながら俺の頬に手を当てた。
「愛してるっ!」
そう言って、唇を再び重ねた。
突然のことで驚いたが、彼女の好きなようにさせる。
数秒後、唇を離すと、目の前には彼女はいなかった。
俺は見えない彼女に対してこういう。
「俺も愛してるよ…さくらっ…」
これは、人生で一番悲しい性行為をした話である。