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夢
夢を見た。いつぶりだろうか…あんな夢…見たくなかった。
現実になりそうで…怖かった。
重い体をグッと起こし、朝食の準備を始める。食パンを焼き、ジャムを塗るだけ。
そんなに料理は好きではないし、時間がないから。
朝食をパッと終わらせ、歯を磨き、服に着替える。
Tシャツに、ジーパン、それにジャケットを羽織った。
髪型を整え、家を出る。
向かった先は、彼女の家。
今日は『話がある』ということで呼ばれていた。
早く来てと言ったこともあり、午前7時、家に着いた。
ピーンポン♪
インターホンを鳴らす。
……出てこない。
ドアノブをひねる。
「開いてる…?いるな…」
出てこないなら仕方がない。そう思い、家に入る。
「さくら〜?」
彼女の名前を呼ぶ。まだ寝ていたら失礼なので、小さめの声で。
寝室。そこにいたのはさくら。ベッドではなく、ベッドにもたれかかるように
床に座っていた。
「さくら?どうしたの?」
そう言って彼女の顔の前に座る。
その表情は……
「さくら…?なんかあったの…?」
顔は涙でくちゃくちゃだった。いつもの明るい性格は消え、暗い雰囲気が漂う。
「優太…」
ゆっくりと名前を呼ばれる。俺はすぐに、「なに?」と返した。
「あのねっ…私ねっ…」
小さい子供のように発せられる声。それと同時に涙も出てくる。
話の内容…それは今日見た夢と一緒だった。
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