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(第14章 ニールの体を救え!)

 ついにホーリールミアンを覚醒する事が出来た。 そして、皆はその背に乗り飛び立ったホーリールミアンは、すぐさま、侵されている国を見て、 「ニャ――――オ―――」 と、1鳴きすると、その荒れてしまった世界をすぐに再生した。 建物の残骸から、植物の芽が出て、花が咲く。 そして、傷ついた者達の体をあ癒し、傷が治っていく。 「スッゲー!!」 「これがこいつの力……」 「ルミアンさん……スゴイ」 するとヨハンは、 「ルミアン降ろしてくれ、ここまでやってくれた事には感謝する。後は、俺達でやる番だ」 「兄貴?」 「俺達は、確かに、ホーリールミアンを目覚めさせたが、その理由は俺達の世界を救う為だ。全てをコイツ任せにはできない」 「……」 「街を元に戻すくらいは、自分達の手でやろう」 「そ。そうだよな。こいつも忙しいもんな」 「でも、この猫さんの力があれば、最上階の人、止まる?」 ステラの言葉には、なんとも言えなかった。 確かにこの猫の力を使えば、可能であるが、全てを任せる事に、なんだか罪悪感を感じた。 「ステラ……この猫さんと一緒に行く」 「ステラ?」 「だって、この世界に私達は来た。大変な事もあった。でも、この世界に私達は来て、今まで教わらなかった事、たくさん教えてもらった。だから、今度はステラ達が、皆を救う番。だから私は戦う」 彼女の目は本気だった。 エクステンデットだった頃のステラではなく、たた純粋に手伝いたいと思ったからだ。 「……なら、俺も行く」 「スティング」 「俺も同じ気持ちだ。戦う力があるなら、戦いたい。ジブリールには、ちょっと恨みもあるしな。だから俺も連れて行ってくれ」 「ハア~。じゃあ、俺も行く」 「アウルも?」 「まあ、2人の影響って言うと、ちょっとズルイような気がするけど、俺達だって戦う力ぐらいある。だったら、それを今使わないで、何時使うんだって話だし‥‥」 と、3人が言っていると、 「あなた達の気持ちはよくわかりました。このまま行きますか? 私と共に」 「ああ」 「うん!」 「俺達だって、恩返しってのがしたいからさ」 「……そうですか。ならば、一度降りて下さい。あなた達に力を与えます」 「うん」 3人が降りると、ホーリールミアンは、目を光らせ、下に魔法陣が現れ、ステラ達は目を閉じた。 すると、3人にそれぞれ力が湧いてくる。 スティングは緑、アウルは青、ステラはピンク。 その姿に、皆はびっくりしていた。 「これが」 「俺達の」 「武器と力」 アウル、スティング、ステラはビックリしていた。 「その力は、あなた達が選んだ力。それで、この世界をあ救うのです」 「どうすれば良いの?」 「私と共に闘う戦士。この世界により、心入れ替え、平和を望んだ者に、この力を授けましょう」 この言葉には、オルガは、 「て事は、俺達にも?」 「可能ならば」 「よっしゃ」 「待てよオルガ……」 「クロト?」 「俺達は、ここを守るんだ。俺達は生前の事を知らされた。そして、事情を知った、この上層階の奴等は、俺達に、ここで生きる事を赦した。そして、時を重ねるたびに、俺達は、少しずつではあるが、変わろうとしている。俺はその事に酬いたい……もちろんこれは、俺だけの考えた。俺はここに残って、ここを守る。もちろん強制はしねえよ。お前達は、お前達の道を進んでくれ」 クロトの言葉に、オルガとシャニはビックリした。 生前の映像を、少し見る事で、まさかクロトがこんなに変わるとは、思わなかったのだ。 そして、自分達も考えた。 生前、自分達は生体CPUとして、宇宙を暴れまわり、凄まじい事をしてきた。 なら、その罪をどう償うかは自分で決められる。 今クロトが言った通りの事も出来るのだ。 その時、 「バリバリ!!!」 と、黒い稲妻が、ラリの家の2階に入ると、同時に、 「うわああああああ!!!」 と、二―ルの悲鳴が聞こえた。 「今の声」 「ニールだ」 6人が部屋に入ると、ニールが黒い稲妻に包まれ、その中で、胸を押さえて苦しんでいた。 「う、うあ……あああ!!!!」 「ニール!」 とステラ黒い雷に触れると、 「バチ!!」 と凄まじい音が聞こえた。 「キャ!」 「ステラ!」 「なんなんだ? これは」 スティングが言うと、クロト達が外を見た。 すると、そこに、大天使モードになったジブリールがいた。 「あいつ。なんであんな格好に!」 「さあ、ニール・ディランディよ。私と共に来るか。それとも、このままここで死ぬか。どうする? ここで死ねばどうなるかぐらい、お前にもわかるはずだ。さあ、て次は何を……ん?」 ジブリールがふとそこを見ると、ステラはピンクのオーラを手から抱いて、ニールを守っていた。 「ほ~。ただの死にぞこないと見ていたが、間違っていたようだな。良いだろう。大好きなネオの元へ送ってやろう!」 彼は、ニールと同じ雷をステラに浴びせようとするが、なんとそれをはじき返してきた。 「何!?」 「ステラ。お前」 「ステラ。ニール守る! 守る事の大切さ、シンや、この世界の人が教えてくれた。だから……私、守りたい。この人を、皆を……その為の力、ステラ達、あの猫さんから貰った力、今使う時!! だから」 彼女はてにピンク色の力でいっぱいにして、ジブリールの攻撃を全て跳ね返した。 「何!?」 彼はかろうじでよけたが、もしもあれをまともに受けていたら、絶対自分達が危なかっただろう。 「ただのガキが! 神様舐めると痛い目を見るぞ。サーシェス!」 「まかせな!」 「と、サーシェスは両方の手を広げて、呪いの呪文を唱えた。 所が、それもステラの技が邪魔をする。 「チィ! ただの嬢ちゃんだと思ってたら、良い力してんじゃねえか。その力……俺に寄越せ―――――!!!」 と、彼が来ると、今度はアウルとスティングがガードに入った。 「アウル、スティング!!」 「ステラはそいつを連れて逃げるんだ!! おそらくこいつの狙いがそれなら、もしかしたら、この世界を戻せる何かを、彼の体が持っているはずだ。出なきゃここまで戻って来ねえだろ」 「え? じゃあ……」 「ほ~。ただの生体CPUにしては、頭が働くようになったな。その通りだ。この宝石を完全に……グア!!」 「ヨハン! ミハエルも!」 「チィ! まだいたか。だったらいいぜ! 皆まとめて地獄に落ちろ~~~~~~~!!!」 とサーシェスが技を出そうとした次の瞬間。何かが全てを払いのけた。 「グア!」 「うお!」 「ニャアアア!!!」 「き、貴様~~~~ただの猫の分際で、私にたてつく気か!?」 「この人だけは、やらせない!! この人は、過去から未来へと変わろうとしている。そんな彼を、ここで終わらせる分けにはいかない!!」 すると、ホーリールミアンは、チラリと見ると、皆は消え、自分自身も消えた。 「消えた!」 「チィ! 瞬間移動を使ったか!」 「どうすんですかい? ダンナ」 「戻るぞ。あそこなら、捜すのはたやすい。すまないなサーシェス。君の一番楽しみを奪ってしまって」 「ヘヘヘヘへ。ま、俺にはこれがある。だから、俺はどんなに離れていてもこれさえあれば、あいつを苦しませられる」 「フン。悪趣味だな」 「なんとでも」 ――――― 彼等は次に目を覚ましたのは、有る湖の近くの草原だった。 既にステラ達は目を覚まし、ニールの側で、薬を調合していた。 実を言うと、ラリは神官なので、呪術のパターンが分かれば、どの呪いで消えるかを調整する事が出来るのだ。 「よし、後は……」 彼は刷りおろした薬を、ニールの口に入れてやり、口直し用の、ミルクを口に入れた。 「ウ……ウウ……あ……こ、ここは……」 「大丈夫ですか? ラリさん。ここは?」 「ここはホーリールミアンの世界。あの猫の作りだした異世界です。ここなら、奴等は入って来られません」 「そう……なのか? けど……ウ……」 「ああ、まだ起きてはだめです。まだ呪術が解けていないのですから」 「え?」 ニールが不思議そうに言うと、胸の痣が薄くなってはいるが、完全には取れていない。 「これは……」 「あいつの付けた呪いです。すいません。私はパターンが分かれば、浄化はできますが、このパターンは非常に珍しい為、私の力でも、ここまでしかできなくて」 「そっか。あ、そう言えば、皆は?」 「ああ、彼らなら……」 「オーイ! できたぞ~」 と、シャニが呼びに来て、皆でニールを柔らかいベッドの上に寝かせて、毛布と羽毛の布団をかけてやった。 「あ~~~~あったかい……なんだ……これ……包まれて感じだ……なあ……寝ても……い……」 彼の言いたい事分かったヨハンは、そっとベッドに近寄り、彼の顔近くまで、布団を上げてやった。 これには流石のニールも、スヤスヤと眠った。 だが、体に付いた呪いを解くのは難しくても、少しは体を安定させる事が出来ればと考えたのだ。 「少し、落ち着いたようですね」 「ああ。ゆっくり休み。ニールディランディ」 「兄貴、もう寝てるのに聞こえてねえっての」 「気持ちよさそう」 と、ステラも安心した。 実を言うと、シャニが先ほど呼びに来た理由は、この世界での仮住まいではあるが、自分達で家を作っていたのだ。 無論初めて過ぎて四苦八苦したが、ナントカ完成して、皆も喜んだ。 そして、霧がはれると、近くに滝と湖があり、草木が風になびいて揺れている。 「わあ~」 「キレイなとこじゃんか」 「まさかここがあの猫が逃がした世界とはな」 ステラ、アウル、スティングがそういうと、シャイにやクロト達は、早速湖で釣りをしていた。 いくら仮住まいと言っても、何もしないわけじゃない。 彼はこれからだった。 ホーリールミアンにもらった力をうまく使えるかどうか。 そして彼等に勝ち、デスアフター・ザ・ワールドを平和にし、半分以上、自分達の生きる世界と思っている彼等にとっては重要だった。 はたして、これからどうなっていくのであろうか!?
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