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(第7章 現世に落ちたニール。ニラルバとの出会い!)

 農園では戦いが続いていた。 最下層で、アズラエルや他の者達と共に作り上げられたそれは、凄まじい勢いで農園を破壊していく。 もはやパニック状態だ。 皆は家畜を守る為、安全な所へ誘導していく。 だが、彼等は一向に攻撃をやめず、そればかりか、昔、自分達が従えていた者を殺す事だけを考えていた。 「フフフフフ。さあ思い知るがいい、裏切り者のエクステンデットに生体CPUにたっぷりとオシオキを上げよう。よいかな?アズラエル君」 「くッ……まあ、良いでしょう。目的は同じ。ならば、対立すべきではないでしょう。それでは、この場はさっさと終わらせて、さっさと上層部を目指しましょう」 と、言うと、皆は上へ上へと上がっていく。 この世界の最上部へ向かったのだ。 この世界の一番上の層。 つまり、神達がいる世界。 そこにはどんな秘密があるのか。 彼等は偶然その事を知った。 そして、その神クラスの元にもいたのだ。 野心を持つ神が…… そして、暴れた彼等は更に上層階へ向かい、農村はもうすさまじい状態になっていた。 皆はそれぞれ小屋を治す仕事に戻り、一見すると、落ち着いたように見えたが、ここで、ミゲルがある事に気付いた。 ニールがいないのだ。どこを捜しても……」 「おーいニール~」 「ニールお兄ちゃ~んどこ~?」 「これだけ捜してもいないなんて……一体どこに?」 ――――― その頃、ニールは現世のとある路地裏で倒れていた。 と、そこへ、 「ワンワン」 と、犬の散歩をしていた貴族の娘ニラルバが、サルーキのレンと散歩をしていた時、 やたらレンが吠えるので、そちらの路地裏に入っていくと、1人の男の子が倒れていた。 「あ、あれは…」 「ワンワン!」 「レン、ちょっとだけ下がってて」 「ワン」 ニラルバは、園子を抱き上げると、かなり軽く、しかも半透明になっていた。 「あ! 体が透明になってる、なんで? あ……」 彼女が上を見ると、紫色の渦が有ったが、それも徐々に消えていった。 「あそこから、落ちたのかしら。この子を早くナントカしなくちゃ。レン手伝って。そんなに重くないから、あなたでも持てるはずよ」 「ワン」 ――――― 彼女は彼を屋敷へ連れて帰り、必死に手当てをした。 しかし、あの世から落ちた彼は、どんどん弱っていく。 でも、医者に見せれば、大騒ぎになる。 「どうすれば、この子を救えるの? お願い。元気になって……お願い!!」 彼女の涙が、ニールの腕に触れると、不思議な事に、今まで透明だった、彼の体が、半透明から元に戻っていったのだった。 「ウ……ウウ……あ……」 「良かった。気が付いた~」 「あ……ここは?」 「あれ? 俺、どうして子供の姿に?」 「子供の姿?」 「え? あ……え~っと……」 この時ばかりはニールも慌てたがそれもそのはず。 全く知らない土地のベットの上で起き、さらには、生きている女の子までいたのだ。 「あ、えtっと」 「あ、ごめん。ちゃんと名前言ってなかったね。私はニラルバ。この子はレンよ」 「わん」 と、連は元気よく吠えた。 「君達が俺を?」 「うん。そう言えば、あなたの上に、こんな渦があったんだけど」 と、スマホで録った動画を見せた。 「! これは……」 「知ってるの?」 「え、えっと……」 と、ニールは冷やせダラダラだ。早くこの場を切り抜けて、あの世に帰らないといけないのに、現生に落ちてしまったのだとしたら、大騒ぎになっている頃だろうと思った。 結果通り、彼を捜していたのだが、あの襲撃で、農村はほぼ壊滅状態になっており、家畜はすぐ逃がして無事だったが、野菜や米が殆どやられてしまっていたのだ。 そして、長老と巫女の家や、教会が半壊していたのだが、どうせ木造なので、どうにか修理する事が出来た。 皆がニールがいない事を告げると、 「あのせいで、時空も何もかも狂ってしまっている……最悪、現生に落ちていなければ良いか……」 神官の言葉に、ニコルが。 「現世に……落ちる? どういう意味ですか?」 「実を言うと、我々の世界と現世は、有る強力な結果で繋がれている。その為、よっぽどな事がない為、こちら側から、アチラ我がへ行く事はないのだが、今回は、下層にいた者達の攻撃に有った。もし、そのショックで、穴が開き、落ちたとすると……」 「すると?」 「かなり、厄介な事になって来る。とにかく、一刻も早く、ニールを見つけなければならない」 「なら、俺が行く」 「ミゲル?」 「俺、あいつの事はよく知らないけれど、ほっとけないんだ。あいつ、まだ過去の事を整理できてないんだ。だから、現生に落ちたとすれば、子供の姿のままだ。何か有ったからでは、取り返しがつかなくなる。その前に、彼をなんとか見つけないと……」 「それじゃあ、僕も行きます」 「え? ニコルも?」 「ええ。僕は子供の姿のまま。この姿のままなら怪しまれなし、ニールの兄だって言えば、なんとかなるかもしれません」 「分かった。来たまえ」 神官の後を皆で付いて行くと、そこには中央に魔法陣が有った。 「これは?」 「かつて、人間とあの世の者が繋がろうとしていた時にできた陣だ。今では殆ど使われていないが、ここからなら、現世に行けるはず。但し、時間はそんなにない」 「どの位持ちますか?」 「月が満ちる満月の夜まで。それまでに彼を見つけてここに戻らなければ、結界が出来てしまい、こちら側に戻れなくなる」 「うわ~キツ~」 「ヤメテおくか」 「やややめるなんて言ってねえぞ! ちょ、ちょっとビックリしただけで…」 「行きましょう。ミゲル。時間がありません」 「ああ。神官さん頼む」 「では陣の真ん中に立って祈るのだ。ニールの世界へ運んでくれと」 「「はい!」」 そして、2人は目を閉じ、ニールの元に行きたいと神経に願った。 すると、陣が反応して青色に光出すと、2人の姿は消え、現生へと送られた。 はたして、2人はニールを見つけ出せるのか!?
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