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(第6章 始まりの予感。最下層での事件!)

中都市に住む皆がやって来た。 この日は農作物と共に、漁業で水揚げされた、魚なども含まれる。 それを祀り、あの世への平和を願う。 それが、年に1度の祭りだった。 皆はこの日を楽しみにしてた。 祭り自体は、夜からなので、露店が立ち並び、村の物は仮装して、祭りを楽しむ。 「これ美味しい」 「あ、それじゃ2つください!」 「毎度」 「はい」 「50ドルのおつりね」 「ありがとう」 と、クリスとリヒティは、町を盛大に楽しみ、セルゲイも、妻である、ホリー・スミルノフと共に、露店を周り、ハワードとダリルは、ここでしか手に入らないというソフトクリームを食べていた。 「お、うまいじゃこれ」 「うま!」 と、ハワードも嬉しそうだ。 かつては敵味方に分かれて戦っていた者どうしも、こうなれば、もう本当に一般人と違わないのだ。 ――――― その頃、クロト、オルガ、シャニ、ステラ、アウル、スティングがオババ様の所へ招かれた。 まず、オババが話した。 「今日は10に一度の祭典じゃ。 「じゃが、巫女様とわしらの占いでは、今日はなにやら悪い予感がしてならぬ。 そこでお前さんたちに力を与えよう。 「力?」 「そうじゃ。お前達の力を合わせれば、あるいはその闇の元に、打ち勝つ事が有るかもしれん」 「怖い事……なの?」 ステラがちょっと怖がっていると、オババは頷いた。 「そうじゃよステラ。実にコワイ事じゃ。それが今から起ころうとしている。それを防ぐ力を、お前達に与えよう。付いて来なさい」 オババが先導した先には、巨大な魔法陣のの様な場所だった。 「ここは?」 「かつてこの地で争いが起きた時に、戦士達を導いた陣じゃ」 「戦士達を導いた?」 「そうじゃよオルガ」 「じゃあ、俺等も力を使える様になるのか?」 「そうじゃよシャニ。じゃがこれをうまく使えるようになるには、お主等が、本当に使いたいと思った時にしか発動せん。その魔法が、本当に発動が必要な時は、その魔法が教えてくれるじゃろう」 ――――― そして、皆はまた祭りに戻った。 だが、神官のラリとシスターアリアは、嫌な気配を感じていた。 「いよいよ始めるな」 「ええ。あの予言だが正しければ、今夜……」 「私は神官だ。出来れば、大事にはしたくない」 「それは私も同感です。でも、もし、この世界に亀裂が起これば、あの世とこの世は結ばれてしまい、死の者が生の場所へ落ちれば、その者は人間に戻る。だけど……」 「ああ。こちらに帰るのは、そう簡単にはいかない。十分注意しないとな」 「巫女はなんと?」 「自分が人身御供になろうではと思っているらしい」 「確かに。下の国では、平和の為に、人柱を作ったという記録が有ったな。彼女もそれを知っていたとは……」 「とにかく、今夜を待ちましょう」 「そうだな」 と、2人が話していると、ニールがやって来た。 「よう。どうして来ないんだ? 皆待ってるぜ」 「あ、ああ。そうだったな。今行く。アリア。練習の成果を見せる時だぞ」 「はい」 「ああ。そう言えば、この鎮魂祭で歌うんだっけ?楽しみにしてる」 「ええ。私。一生懸命に歌います」 「んじゃ、先行ってるぜ」 と、ニールが行くと、後から、ラリとアリアがやってきた。 だが、その間にも巫女は、ずっと不安を抱えていた。 今夜主役なのに、どうしても、あの事起こりそうで怖かったのだ。 「黒き者達が、怨念、憎しみを知り2つ力が合わさった時、異次元への扉が開く……」 リミルはそう言って、巫女の衣装を来て、お祭りに向かう。 本当ならば、普通の服で行きたかったのだが、どうしても気持が巫女のままなので、こちらの服で来てしまったのだった。 そして、皆がリミルに気付くと、 「リミル様! どうしてこちらに?」 「その服装。何かの予言が有ったのですか!?」 という声が聞こえる。 だが、ステラ達は知らず、自分より、小さな女の子を前にして、様付けで呼ぶ皆を見て、不思議に思った。 「なに? こいつ特別なのか?」 というアウルに、偶然焼き鳥の肉バージョンを食べており、そこで買った人が教えてくれた。 「おや? 坊や見るのは初めてか?」 「はい」 「彼女は、この世界の巫女なんだよ」 「巫女?」 「ああ。詳しくは知らないが、何かの予言や呪い事をしていると聞いた事が有る。普段は家に困って、中々外に顔を出さないから、知ってる奴の方が、少ないかもしれないな」 「そうなんだ」 「でも、あいつが出て来た所を見ると、こりゃ何か始まりそうな予感がするな。そう言えば、君、祭りには?」 「ああ、もちろん参加するぜ」 「そうかそうか。今回の祭りは、ちと特別な物になりそうだな」 「特別な物?」 「ああ。何しろ、巫女様が来てる。何かが起ころうとしているかもしれないな。さっきも話しただろう?」 「あ~」 「あ、いたいた。お~い。アウル~」 「あ、スティングにステラ。あ、なんだ2人一緒だったのか」 「うん。バナナチョコ美味しい。アム」 「コッチのたこ焼きもいけるぜ。アム」 「お前等な~」 「ハハハハ。良い友達持ってるじゃないか。どうだい? こっちも食べてみないか?」 「あ、そうだな。ステラはどうする?」 「私、ちょっと……」 「あ、アハハ。そう言えば言ってたな」 「何を?」 「ゴン!」 「アダ!」 「何すんだよ」 「アホか! ステラは女何だぞ。ちょっと気にしてるんだよ。体系の事」 「そうか? 全然変わってねえじゃねえか」 「本人の問題なの!!」 「そういうスティングも、そういう事、どこで覚えたんだ?」 「家で聞いちまったんだよ。そっち系の話」 「あなるほど」 「て事で、俺だけもらうぜ。アム……うん! うまい」 「ハハハハ。そうかそうか」 「早く行こう!」 「あ、お、おいステラ待てって!」 と、2人が追いかけていくと、ナタルとフレイがやって来て、肉を買って、美味しそうに食べていた。 ――――― そしてそんな楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、いよいよ鎮魂の儀式の為の花火が設置されていた。 そして巫女は、それ専用の服に着替えていた。 今回の主役は自分で、その力を使って、ここに死者として来た者を本当のあの世に送りだす儀式が、これだった。 そして、 鎮魂の歌をミーアが歌う。 それはまるで、死者達の魂への祈りの様に。 そして、それが届いたのか、数人の体が透けていく。 とうとう来てしまった。これはあの世へ逝く為の光だった。 そして、魂を導く為の花火が揚がり、巫女が持つ不思議な杖で、ここにいた数人と都市部にいた何人かが、この世界から去る時が来たのだ。 その中には、フレイ・アルスターと、ラスティ・マッケンジーが混じっていた。 「とうとう来たか」 「え? でも私……」 「ちゃんとあの世へ行って、生まれ変われ。この世界はその為の世界なのだ。あの世~現生に生まれ変われ……」 「バジルール中尉……」 と言うフレイに彼女は、 「バジルールで良いんだ。フレイ。私はもう軍人ではないのだから」 「はい! 私、あの世で待ってます。あなたが、本当のあの世に来る日を……」 と、言っている間に、彼女は消えた。 そして、皆がその光景があちこちで及んでいる頃、 この世界の最下層で、何かが起きようとしていた。 ――――― この世界の最下層は、一番悪い事をして死んだ魂達の集まりで、一番治安が悪かった。 個々には、ラウ・ル・クルーゼや、ムルタ・アズラエル、そして、ブルーコスモスの現盟主ロード・ジブリールや、自分が世界を操るとまで言ってのけ、CBを操って来たアレハンドロ・コーナーなどがいたが、 この日は鎮魂祭が行われていると聞き、やるなら今しかないと思った もちろんこの世界を監視している者達はちゃんといたが、鎮魂祭の間は手薄になる。 彼等はそこを狙っていた 彼等の目的はただ一つ。 この世界を自分の手で制する! それを目標として、今まで準備してきたのだ。 この世界の秘密を知った4人は、アリー・アル・サーシェスを仲間に引き込み、生きていた頃に、乗っていてMSの改良型を、自分達の手で直し、改造を銜え、ついに上の階層まで攻撃でき、一気に上に登って行く。 そして、この現象は、現在鎮魂が行われている、農村部にも達していた。 「ゴゴゴゴゴ」 と凄まじい自信と共に、ドリルが地面から突き上げて来て、挙句、闇属性のドラゴン達が現れた。しかも中には、黙示録の赤い竜と言った、伝説級までのドラゴンまでいた。 そして、そいつはメチャクチャに暴れだし、小屋にいた畜産の動物達が騒ぎ出し、慌てて皆を逃がそうとしたが、それを、下層飛び出して来たMSが邪魔をする。 「ハハハハ。こりゃ狩りがいがありそうだぜ。オラオラ。逃げろ逃げろ!!」 と、彼が暴れまわっていると、クロト達やスティング達は、過去を思い出し、これを止めねばと思った時、シャニの脳裏に、言葉が浮かんできた。 「サンダーリングシュート!!」 と、シャニが腕から、雷をまとわせた、リングを飛ばした。 すると、MSは元から機械なので、こういうのには弱い。 それを知った時、クロトとオルガにも同じ様な現象が起きた。 クロトは火。オルガは水と、浮かんで攻撃し、下層エリアを片付けていく。 その時、ニールの側に穴が開いてしまった。 「な、なんだ……な、わ、うわ~~~~」 と、とうとうニールは穴の下へ落ちてしまった。 現生に通づる穴へ。 はたして彼は無事なのだろうか!?
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