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(第5章 都会からの客人。ニコル達との再会)
今日も朝から、農場は忙しく動いていた。
ステラ達も段々手伝いが上手になり、クロト達も自ら手伝う様になり、
ニールも一所懸命頑張った。
そん時だった、
皆はこの農園の主、キャリス・アビニアンから呼び出された。
「今日は都会からお客様が数名来られる事になりました。皆さんの頑張りを見学したいという申し出です。そして、もうすぐ始まる、この村での祭典の為の下準備をしたいと」
「下準備?」
と、ステラが小首をかしげるが、それはしょうがない。なにせ、ステラ達がココに来たのは、つい最近なのだ。
その祭りは10年に一度開かれ、この世界に来た魂に安らぎを与える為に行われる、いわば鎮魂祭みたいな物だだ。
で、村は場所を提供し、その時打ち上げられる花火は、中都市に作られていたのだ。
―――――
お昼が済んだ頃、皆はバタバタと忙しそうにしている。
今日は都会からお客が来る為、それを迎える為の準備があるのだ。
これにはもちろんニールも手伝う。
そして、ステラ、スティング、アウル、シャニ、クロト、オルガも手伝いに参加して、
その為に動物達を別の場所に移動させたりと大忙しだった。
そんなこんなしてる頃、
中都市も、出発の準備に取り掛かっていた。
魚や機会やらをトラックに積み込む作業していた。
そして、今回は、フレイ・アルスターも初めての牧場だが、なんだか汚らしいイメージがあるのか、あまり行く気がしていなかった。
彼女はここに来て、なんだかシュンとしていた。
何故なら、知っている人がいないからだ。
いるとすると、バジルール中尉のみで、彼女も牧場は初めてだ。
あそこには、とうじ、一緒に戦った、彼等がいるので、若干の不安はあったが、あらかじめ向こうから、連絡が来ていたので安心していた。
そして、最後にピアノを積み込む。
ニコルのピアノだ。
彼は今日の鎮魂祭で、演奏をする事になっており、それをミーアキャンベルが、代表として、歌う事になっていた。
彼女はこの式典の為に頑張って練習してきた。
舞台慣れはしている者の、今度は牧場で歌うのだ。
無論あっちもステージは用意してあるが、彼女は、行く直前まで練習していた。
本来なら、ザフトの歌姫として、あれを歌いたかったが、今回は、鎮魂の歌を歌う事になっている。
それによっては、全ての事を終えた魂が、生まれ変わる為、この世界からいなくなる事が有るとは聞いていたが、それを導くのが自分となると、ラクスの演技をしていた時より大変だ。
「ハア~」
と、ミーアは車の中でのど飴をなめていた。
さっきニコルが練習を見ているさなか置いて行った物だ。
なにせ今回の鎮魂祭には確かに自分も出るが、よりにもよってソロパートをする事になっていたのだ。
確かに自分の持ち歌はほかにもあるが、まさか、いきなりこんな大役を?
と初めは思ったが、いざ決まってみると、かなり緊張する。
と、そこへ、
「おーい。準備ができた。出発だー」
「あ、はーい。じゃあお互い頑張りましょう。ミーアさん自分を信じてください。あなたなら大丈夫ですよ」
と、ニッコリ笑うニコルに、ちょっとだけ安心した気になれた」
道は結構狭い為、凄い数のトラックが来る。
無論これには、リヒティとクリス、ハワード、ダリル。
更にはセルゲイと、錚々たる顔ぶれがそろっていた。
皆楽しみにしていた。
鎮魂祭で上げられる花火は、魂を天に返すという意味があり、この世界にとっても、重要な役割だった。
つまり、この花火と共に、ある者は本当のあの世へ旅立つ。
それを見送る儀式でも有った。
そしてこの日の為に、巫女である、リミル・ハリルは、祈りをささげていた。
実を言うと、彼女もココへ来る以前。
つまり、現生でも巫女として育てられ、何も知らないまま死んだ為ここに来た。
でも、結局やる事は一緒だと思った。
自分は、人の為に、祈りを捧げるのが仕事だと思っていたから。
でも、神官もシスターも、自分は普通の子だよと言ってくれて、たまに外にでて、色んな事に触れていた。
今日は特に、彼女は一生懸命だった。
アリアが彼女に、一緒に出店でも回ろうと思って誘いに来たが、一生懸命と言うより、何かに怯えている感じがした為、どういう事かと考え、結局声をかけようとしたが、先に神官に相談すると、
「今日の鎮魂祭。イヤな予感がしている。この祭りは、死人をホントのあの世へ導く為の物。だが、同時に、最下層のバリアが消える日だ。そのバリアが消えると、何かが起こしそうな気がしている」
「じゃあ、彼女もまさか……」
「考えたくはないが、そうとしか思えない。一応、注意は払うが、もしかしたら、もしかする事が起きるかもしれない……」
「……」
アリアは、なんだか不安になった。
一体この鎮魂祭で、何が起ころうというのだろうか!?
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