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(第5章光の中の真珠)

 潜水艇が海面に出ると、海はかなり荒れており、凄まじい波が打ち寄せて、こっちが流されそうになる。 「こりゃ~ちと厄介な事じゃぞ!」 と目玉おやじがそう言った時、鬼太郎の妖怪アンテナが反応した。 しかも、それは鬼太郎が一番知っている妖怪の物だった。 「父さんこの反応は!」 「間違いない。奴じゃ!恐らくななしの力か何かで蘇っておったんじゃろう。とにかく奴も倒さねばならん!」 そこへドラえもんが、 「あ、あの~。話を折るようだけど、ななしって誰の事なんですか?」 「すまんが、わし等にもよく分からん奴じゃ、ただ、ある妖怪を倒した時に言っておったんじゃ。名無し様はお前達では倒せぬとな」 「名無し様って、一体何なんでしょうね?」 「う~むむ。もうちょっと情報が集まってからじゃな。今はとにかくあの大津波を止める事じゃ」 「はい!父さん」 そして、潜水艇は、水中から、水を止める気で根本を探した すると、やはり海ざとうの封印が解かれていたどころか、その場所自体が破壊されていた。 「なんと!破壊されておる!!」 「一体誰がこんな事を」 「あやつは水タイプじゃから、電気タイプには弱いはずじゃ」 「となれば、あれを使う時じゃな」 「はい。父さん」 「あれって?」 とドラえもんが質問すると、目玉おやじは解説に困った。 と、その時、海ざとうが姿を現した。 「出たな海ざとう」 「ドラえもん。この潜水艇に武器は?」 「ミサイルぐらいしか……」 「なら、あいつは僕が相手をします。その隙に皆は波を消す方に集中してください」 「あ、ちょっと待った。こんな事もあろうかと、「てきおうとう!」 これの光を浴びると、どんな所でも平気になるんだ」 「ありがとうございます。ドラえもんさん」 そして、鬼太郎は1人で、海ざとうと戦い始めた。動きは以前の戦いで知っている。 しかも、こっちもすぐに動けるようになった為、ハッキリ言ってかなり優位になれる……はずだった。 「無駄だ!」 と海ざとうはびわを鳴らし、攻撃してくる。そこで鬼太郎は、ある作戦を立てた。 だが、これには、若干の危険性がある。海ざとうの水に電気を流せば一発なのだが、向こうも恐らくそれを予測しているという可能性があったのだ。 高波を一時的にでも止めるには、それしかない! そして、作戦を実行した鬼太郎だが、やはり向こうもバカではなかった。 なんと海ざとうは、避雷針を持っていたのだ。 つまり、そちらに電気を集中させたのだ。 「やっぱり!」 「フフフ。驚くのはまだ早いぞ……せや!!」 「うわ~!!」 と、海ざとうが放った、水圧弾に鬼太郎は吹っ飛ばされ、近くの岩に激突して、気を失った。 「ハハハハ死ねい!」 と、海ざとうが技を放つと、何所からともなくサッカーボールが飛んできて、海ざとうを直撃し、その隙に鬼太郎を救助してどこかへ行ってしまった。 「な、なんだ今のは……」 それから数時間後 ようやく鬼太郎が目を覚ました。 「う……う~ん」 「おお、鬼太郎大丈夫か?」 「だ、大丈夫ですよ父さん」 と力なく言う彼に、猫娘が、思いっきり抱き着いてきた。 「良かった~んもう! 1人だけいい格好しようとするんだから!心配するじゃないの!」 という猫娘だが、顔が真っ赤っかだ。 そこへ、ドラえもんが入ってきた。 「実はさっき親友テレカを使って、皆にきてもらったんだ」 「でも良かったよ。1番初めにドラリーニョが来てくれて」 「いや~それ程でも~あれ? 僕何しに来たんだっけ?」 「ズコー」 と皆がズッコケた 「あ~思い出した。ドラえもんのお手伝いに来たんだった」 「お前相変わらず物忘れ激しいな……」 と、帽子をかぶりアメリカのシャツを着たドラ・ザ・キッドが呆れながら言い、チャイナ服の王ドラが、 「とりあえず、今後の事を考えましょう。海ざとうは、しばらくは大丈夫とは思いますが、問題は、のび太君がまだ、見つかっていないんですよね?」 と言った。 すると、皆の顔が暗くなる。のび太は確かに「有った」だが、それを持って帰ろうとした矢先に襲われ、体は結局もって来れなかったのだ。 津波は確かにひいて、皆は今後の事を話し合う為、しずかの家に集まった。 幸いこちらはなにも異常がなかったらしく、平和な状態だった。 そして、ケーキなどは、ドラえもんのグルメテーブルかけで出し、親の負担を減らした。 今回話し合う点はいくつもあった。謎の巨大宮殿、ジャイアンとスネ夫の行方、そして、のび太の行方。 この3つが今回の議題だが、まずはしずかが手を挙げて言った。 「あ、あの、のび太さんどこに行ったんですか? テレビだと、自分から増水した川に飛び込んだって聞きましたけど、誰か救助を優先しましたか?」 この答えに皆は困った。 確かにそうだ。あの時、のび太を助けた者は誰もおらず、皆は逃げる様に去っていき、相手チームものび太の事は1人も言わなかったのだ。 「ちょっと待って、え~っとあった。「タイムテレビ!」 。ダイヤルをあの時間に合わせて、次はあの場所だな」 と、その画面が映ると、やはりあの場面だった。 そして、問題のシーンもばっちり映っていた。 「お、おいこれって」 とキッドが言うと、 「やりすぎじゃねえか!」 牛のような小さな角を生やしたエルマタドーラが続いて、アラビアン風のドラメッド三世が疑問を投げかけた。 「でも、なんでのび太君は、川に飛び込んだでアル?」 「確かにそうですね。泳げないんでしょう? だったら普通、陸路から逃げるはずなのに」 という王ドラに、皆も同じような疑問を持った。 確かにのび太は泳げない。 ならばなぜ、あの増水した川に飛び込まなければならなかったのか。 疑問はさておき、 次の話題に入った。 調べてみると、スネ夫とジャイアンは自宅謹慎にされ、店の方も当分休まざるを得なくなり、ジャイアンは逃げる様に家出をした。スネ夫の方は、防犯カメラが付けられ、24時間部屋を監視させられ、トイレに行くにも許可がいる程だった。 そして、最後の問題が、のび太の行方だった。 2日かかって探したが、何所にも反応がなく、最悪な事態を想定して捜すしかないのかとしずかは涙ぐむ所を、まなと出木杉が慰めた。 「2日かかっても見つからないなんて、もしかしたら、あの宮殿の中なんじゃ……」 「あり得ますね。あの中からのび太君と似たような声も聞きましたし」 と言う王ドラは早速記憶掘り出しビデオでその時の記憶を掘り出してみた。 すると、確かにのび太の物と思われる声が入っていた。 つまり、あの宮殿の中にのび太はいるという事だ。 そして、それを出木杉がまとめていく。 その時しずかが、 「あ、あの……のび太さんのご両親は?」 「あ、そう言えば……」 「この時代に来たら、確かになくなっていましたね」 と言う王ドラに、ドラリーニョが 「帰るのに苦労したもんね~」 と、ドラリーニョがそう言うと、エルマタドーラが、 「あの母親だからな~どっかの大会社の社長の奥さんになってたりしてな」 と言うと、皆は黙った。 確かにそれはありうる。 あの親は金か成績かのどちらかしか見ておらず、成績や給料などの話で、ドラえもんでも参った程だ。 「とにかく、今は一番近い所から当たって行こう」 「おう!」 「あ、もう8時ですよ。明日に備えて、今日は休みましょう」 「そうだね。しずかちゃんもお風呂に入っておいでよ」 と、ドラえもんが進め、真名と猫娘も入る事にした。 そして、みんなが戸締りを確認したいる時、ドラメッド三世が、カーテンを閉めに行く途中変な者を見つけた。 それは、裏山の頂上から伸びて、天に続いている道だ。 「あ、あれはもしや」 ドラメッドはカメラでそれを撮影し、皆を呼んだ。 「なんだあれは?」 「とにかく行ってみるでアル」 「ドラメッドのジュウタンには王ドラ、エルマタドーラ、ドラリーニョが乗り、空飛ぶジュウタンには、他の皆が乗った。 ドラえもんの道具を見た、鬼太郎達は驚いた。 「ほ~これはなかなか、面白いの~」 「未来ってこんなものまであるんですね~」 「それでは出発でア~ル」 「よし、じゃあしずかちゃん達は休んでいてくれ。猫娘。彼女達を頼んだよ」 「……分かったわ。でも、あんまりむちゃはしないで!何かあったら、すぐに連絡してよ。私達だって、何かの役に立てるんだから」 鬼太郎がそう言うと、次々と出発していく。 出木杉としずかはそれを見送るしかなかった。 その裏山には、何があるのかを 突き止める為、まずは下から探る事にした。 すると、その下には、中に入れろとかかればボードを持っている人が大勢いた。 「何んだあれ」 「何かの抗議集会にしてはおかしいでアール」 「そうじゃな。すまんが砂かけ。様子を見て来てくれぬか?」 「分かった」 「王ドラどのスマンが、ここで見張りをしててくれぬか?」 「分かりました。お気をつけて」 「うむ。では行くぞ。」 「おう!」 と、それぞれ分かれて調べる事になった。 オババが抗議集会を行っている理由を聞くと、 「今日の午後から、いきなり裏山に入れなくなってしまったんだ。ほら、見てみなよ。枝がじゃまで入れねえんだ」 「お主等の抗議の理由はそれか?」 「あ、ああそうだ」 「本当は、裏があるように思えてならんのじゃが?」 「そ、そんな事ねえって」 「では、1つ聞くが、お前達が持っとるその網はなんじゃ?」 「た、ただの昆虫採集だよ?」 「にしてはずいぶん大型じゃのう?」 「う……」 男性が困っていると、その時、 枝が突然動き、男性の首に巻き付いて思いっきり締め上げる。 「ぐ、が……ああ」 「イカン!痺れ砂じゃ!」 間一髪猫娘が助けるが、大変な事を見られてしまった。 「なんなんだ。このばあさん。砂を出しやがったぞ」 「まさか……・妖怪?」 「イカにもそうじゃ」 「お、おい写真持って来い写真。滅多にお目にかかれない妖怪だぞ。よ・う・か・い」 「お、おう!」 「と、皆がフラッシュが砂かけババアを襲うが、彼女は怒って、全員に、 「眠り砂じゃ!」 と、砂を巻き、あっという間に眠らせてしまった。 「さて、中はどうなっておるのかの~」 と、彼女が言うと、裏山の入り口が開いた。 「どうやらわしを怪しい物とは、認識しとらんようじゃの」 中へ一歩入って、しばらく上ってみると、そこで、ようやくあの攻撃活動の意味を理解した。 なんとそこには、色々な動物達がいた。 「なるほど。あの枝はこいつらを守る為だったんじゃな」 「誰だ! 僕の山に勝手に入って来たのは」 「砂かけババアじゃ。わしはお前と話がしたくて来たんじゃ。ん? そう言えば、鬼太郎がおらんが?」 と、彼女が声の出所を捜すと、それは光の中心部で、小さな真珠のような物が光っていた。 「真珠が、浮いてる?」 とその時、鬼太郎達と、ようやく合流した。 「お~い大丈夫か~?」 「おお鬼太郎無事じゃったか」」 「そっちは?」 「どうやらこの動物隊を狙って抗議しとったようじゃ」」 「こっちはちょっと厄介な事になってる」 「あの真珠じゃな」 「ああ。近づこうとしても、弾かれてしまうんだ」 「フム?っと、砂かけババアが近づくと、その真珠の中に膝を抱えて座っている人間が見え、彼女がそれに触れると、何かを感じた」 「こ、こやつは……鬼太郎。こいつはのび太その物じゃ 「ええ?」 「な、なんで?」 「こやつは恐らく、この世に絶望して、大好きなこのこの山を守ろうとしているのではないかと見える。真珠に姿を変えてまでな」 「こう考えれば、多少は近いと思うが……」 すると、髪の毛から目玉おやじが目玉を出した。 「なるほど。以前の枕返しの様じゃない」 「確かに似てなくもないけど」 「やってみよう。一反もめん。ワシと一緒に、枕返しの所に行くんじゃ」 「どうしたんですか?父さん」 「枕返しなら、夢の世界へ入れる。まずは、彼の夢に入って解放する事じゃ」 「あ、なるほど。あ、だったら、ついでに猫娘達もお願いします。2人は顔を知っていますから」 「分かった。そういうわけで頼むぞ一反もめん」 「アイアイサー!」 と、一反もめんが格好つけながら、目玉おやじを乗せて飛びだった。 そして、白い光の上では、次々と現れる敵と、ドラえもんズが戦いをはじめていた。次から次へと、大砲やらミサイルなどで攻撃してくる。 なんとかキッドも奮戦するが、なかなか止まらず、王ドラも疲れていた。 「クッソ~ただでさえ怖い中で戦わせやがって!」 「一体、どうなっているのでしょうか?」 丁度その頃、ようやく枕返しの所にたどり着いた。 「ん? 今度は何の用だ?」 「急用なんじゃ、説明は後でする。急ぎ、ある者の夢に連れて行ってほしいんじゃ」 「その子、ある事件んで心を閉ざしているんです」 「それを救えるのは、夢に入れるアンタの力が必要なの」 「ある者? 人間なのか?」 「そうじゃ……いやもしかすると、違う者になったとも言える。とにかくその者と直接話をしたいんじゃ。頼むこの通りじゃ」 と彼は深々と枕返しに土下座した これには流石の枕返しも困った。 「だ~! も~次から次へと仕事を持って来やがって! オラ親父!そいつの夢の方角は分かるか?」 「!わかってくれたか。おそらくお主でも感じるじゃろう。白い真珠の中にいるはずじゃ!」 「何? う~~~~ん!! ……これだな。ネムネムネムネムネムネムピャー!!」 と、彼が枕を光の方角へ、光を伸ばすと、虹の橋ができた。 「ガハハハ~スゴイだろ」 相変わらず。流石枕返しじゃ。一反もめん。この事を鬼太郎に伝えるんじゃ」 「え?いちいち伝えなくてはいかんと?」 「少々やっかいじゃが夢の国へ行って、彼の意識を取り戻させるのには、これしかないんじゃ」 「まったくも~忙しか~」 と一反もめんは超高速で飛び、鬼太郎達に事に次第を告げた。 「わかった。でも、ドラえもんズの皆を放っておくにはいかないし……」 「それなら、俺がする」 「と地面からぬりかべが姿を現した。 「ミサイルやそう言うのには俺が強い!」 「わかった頼む。ドラえもんさん。ぬりかべを大きくしてくれ」 「わかった。ビックライトー!!」 そして、その光を浴びたぬりかべはすぐさま大きくなり、どんな攻撃も跳ね返した。 「お~!」 「すっげ~!」 「すごいすごい」 「ドララドララ」 と、皆が興奮していると、ドラえもんは皆に告げた。 「のび太君の夢に?」 「恐らくは枕返しと同等に力なんだ。だから、夢の中に入るには、妖怪の力が必要になって来る。だけど、のび太君は僕達を知らない。もしも出会ってしまえば、追い出そうとする。それを防ぐ為にも、ついて来てほしいんだ」 「わかった」 「おもしれ~行ってみようぜ皆!」 「お~!」 そこへ、子泣きジジイがやって来た。 「ここはわし等がしのぐ。その隙にお前達は、中からのび太とやらに話しかけるんじゃ」 「わしらの事は気にせんでええから、はよ行け!」 と、そこへ、夢の中に入っていた猫娘と真名が出て来た。 「き、君達どうして?」 「夢の中に入ろうと思ったんだけど、鍵がかかっているみたいで入れなかったのよ」 と、説明し、仕方なく外から呼びかけるしかなかった。 「邪魔な妖怪なら、私が相手をするわ。鬼太郎達と真名としずかさんは、のび太君に話しかけて。妖怪じゃなく、ただの中学生なら、彼も警戒を解くはずよ」 「これ以上、守られて、ばかりで、何もできないなんてイヤなの!」 「私達を信じて、鬼太郎」 「猫娘。皆!」 皆のその眼は自信に満ち溢れていた。 「あ、そうだ。もしもの時の為にこれをしておこう、「バイバイ音叉!」 「何それ?」 猫娘の言葉に、ドラえもんは砂かけババアに、それを渡した。 「これはどうやって使うんじゃ?」 「そのゴムになってる部分があるでしょ? そこを上からピンって押してみて」 「こうか?」 「ピーン!」 という音と共に、なんとオババが2人になった。 「な、なんと増えおった!!」 「そう言う事。もしもの時はこれを使うと良いよ」 「それじゃあ、ドラえもんズの皆にもした方が良いんじゃない?」 「そうだね。それじゃあえ~とドラメッドと、エルマタドーラ。そしてドラ・ザ・キッドにしておこう。後は、ついて行こう」 「了解!」 そして、全ての準備が整い、急いで、また枕返しの所に戻ってきた。 「お~い!」 「あ~んまた来たのか? 言ったはずだぜ。あの夢は鍵がかかってるって」 という枕返しに、ドラえもんが説明する」 「あれはのび太君が知らない人が夢に入ろうとして、警戒されたからなんだ。だから知っている僕達なら、何かわかるかもしれないんだ」 「なるほど。試してみるか」 と、枕返しは、さっきやったのと同じ要領で夢へ虹を作りだし、後はのび太に会いたいと願いながら進んで行くと、やはり鍵がかかったままだった。 「やっぱり鍵がかかったままだ。お~いのび太く~ん。僕達だよ。ドラえもんズだよ。今日は君に紹介した人達を連れて来た。 一応何があったのかも皆知ってる。君を絶対笑ったりしないと約束する。だから頼む。ここを開けてくれ!」 と、ドラえもんが言うと、目玉おやじも同じようにいった。 すると、ようやく扉が少し開いた。 「開いた。今だ!」 と、皆は次々とのび太の夢、つまり真珠の中に入った。 果たして、無事に彼を救う事が出来るのだろうか?
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