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非・王道系戦隊モノ ギャグ 1

 明石 麗兎 (あかいし れっど)  舞流 葵(ぶるう あおい) キイロ→家路鍵郎(いえろ キーろう) ミドリイロ→栗院美鳥(ぐりいん みどり) モモイロ→濱久百人(ぴんく ももと)  敵キャラ 美櫛(みくし) 対田(ついた) 栗井(ぐりい) **** 正義の味方なんてこの世にはいない。  そういうことだ。 *  赤いヘルメットをアスファルトに叩きつけて、僕は落胆した。  メンバーのスーツはすでに私服に戻っていたけれど、僕はスーツを解く気すら起きない。どいつもこいつも満身創痍ながら、いつもの調子のままだ。 「やる気ないならやめたら?」  携帯電話を開きながら、キイロが言った。華奢な体躯が印象的だ。女顔だがれっきとした男で、男子力高い。 「もともとアカイロがリーダーって決まってるワケでもなねぇんですからよ」  ミドリイロもヘルメットを外して、どうでもいいことのようにそう言った。体格がよく、筋トレが趣味だという。年は1つ下だ。 「あ~解散解散。マジやってらんねぇから、こういうの」  モモイロが腕を振って、なげやりにそう言う。視線が僕を責めている。釣り目で八重歯が目立つ。もともと歴代モモイロは女だったが、こいつで始めて男がモモイロを務めることになった。  原因はアオイロだ。アオイロが、普通の男の子に戻りたい、というのが始まりだった。  アオイロが隣町高校の女の子と付き合っていたのが原因だ。デートの最中に呼び出しを喰らうことに嫌気が差しているという話は聞いていた。そしてとうとう、今日になって、呼び出しに応じなくなった。  全員が揃わなければ必殺技も使えないという仕様のせいで、苦戦を強いられた。このままこんな戦闘の日々が続くとなると、憂鬱になる。 「じゃぁね、バイバイ、アカイロ君」  手を振るどころか、キイロは携帯電話を振るというぞんざいな扱いを見せ、僕のやる気のなさはピークに達した。 「アカイロ先輩も普通の男の子に戻った方がぜってぇいいですよ」  ミドリイロは本当に僕のことなどどうでもよさそうだった。 「新しいアカイロは探すから、置いてっていけよ、その変身道具」  モモイロは小指で耳を掘り出す。 「ああ。じゃぁな。バイバイ」 *  それが、2日前。 「にいちゃん、どこ見て歩いてんだよ?あ?」  戦友というか同業者たちと別れ、晴れて「普通の高校生」に戻った僕・明石麗兎(あかいし れっど)は帰り道、チンピラに体当たりしてしまったのだ。普段なら、変身道具を使って超人めいたパワーでこんなチンピラは一捻りだというのに。  チンピラの拳が頬にぶつかる。重く、熱く、痛い。 「あれ、アカイロくん、何してるでござる?」  聞き覚えのある声とふざけたおした語尾。尻餅をついた僕の耳にそれは届いたがそれどころじゃない。 「てっめ!アオイロ!!」  舞流(ぶるう) (あおい)。僕がアカイロを辞めなければならなくなった原因をつくったろくでなしだ。 「ああん?誰だてめ。貧相なクソガキだな」  そうなのだ。人畜無害そうな外見で貧弱そうなやつなのだ。僕は沸々とした怒りを覚える。 「あわわわ!新しいアオイロの人でござるか??僕ちんが勝手にアオイロ辞めたこと怒ってるんでござるね??」  普通の男の子になりたいどうこうより、一番に話し方がうざいのだ。アオイロは。
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