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手を取り合って

 それからワンドやかつての仲間達と再会し、カイの存在に驚かれつつも再会を喜びあった。  新しい組織への協力をルイとクロスは引き受けたものの、その前に住む家を探す事……召喚札師(リスナー)である以前に家族が安心して帰れる場所を見つける事になる。  ルイの故郷でもある帝都エンペリオスの郊外にある家に住み始め、そこを拠点としてクロスも召喚札師(リスナー)として生計を建てるようになった。時折、ルイの妹であり新たな組織の一員でもあるジルが顔を出しに来たり、ワンドが訪れたり……帰る場所でもあり、集まる場所でもある。そんな環境を娘カイも当初は慣れなかったが、やがて慣れていき成長していく。  ルイは新たに新設される教育機関の教員になる為に主婦をしつつ必要な事を勉強する日々を送る。家という場所にいれば夫となったクロスも戻ってくるし、一緒に遊びに出かけたカイも疲れ切った身体をゆっくり休ませられる……今日もたくさん遊んで眠るカイにそっと毛布をかけ直してやり、微笑みつつリビングに戻るとクロスもちょうど帰宅し共にカイの寝顔を見つめた。 「よく寝てるな」 「今日は近所の子達とたくさん遊んで……勉強もちゃんとしたものね。あなたも仕事仕事ばかりしないで休んだら?」 「……そのつもりだ、お前の事もあるしな」  そっと手を伸ばしてルイの膨らんだお腹を触るクロスに、ルイは身体を預け目を閉じる。二人目の子供が出産間近、カイの弟か妹かはまだわからないが経過も良い。  改めてルイは振り返る。初めての出会いから今の時までの事……偶然、いや、運命の出会いだったのかもしれない、天の導き、とも言える。  だが例えそうでも自分達は自分の意思で選択し、歩み、時には何かを得て失うを繰り返し……大きなものを、得る事ができるのかもしれない。  そっとルイはクロスの手を握り、クロスもまたルイに応えて手を握る。これから先……多くの出来事があるだろう、良いことも、悪いことも、時には笑い怒って、悲しむ事もある。  でも自分達は一人ではない。助けてくれる仲間がいて、支えてくれる家族がいる……確かなものがある限り、未来に進み目指す事ができる。それはルイも、クロスもわかっている。 「ルイ、ありがとな、これからも一緒に……」 「えぇ、あなたとなら何処までも……」 Fin.  
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