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未来の為に

 家族三人で旅をする生活……娘であるカイはのびのびと育ちつつ、ルイが物書きなどを教えクロスもそれを手伝いつつ召喚札師(リスナー)の事を教えていた。  流石に両親二人だけでは負担もあるし戸惑うところもある為、メアリを中心に仲間(アセス)達もカイの遊び相手になったりして上手くルイ達の息抜きの時間を作っている。  だがいつかは娘の為に一つのところに落ち着く事も考えていた。旅先でも人と触れ合い事もあるが、身近な誰かとの付き合い方や長く過ごす事で学べる事も多々ある事……これからのカイの為というのもあるが、ルイとしてはクロスが羽を休め心落ち着ける場所があるのを願っていたし望んでいたから。  そんなある日に聞いたのは新しい召喚札師(リスナー)機関の設立とその式典についてだった。かつて共に旅をしたワンドや、旅の中で出会った仲間や召喚札師(リスナー)が設立に関わり、これからの世界の為……平和な世界の為に尽力しようというものだった。  そして同じ時期に自分達を探しに訪れた人物がいた。仮面で顔を隠す召喚札師(リスナー)バエル……かつて敵として相対し、現在は罪の償いの為にその力を平和に貢献しているのだという。  西の国サラマンディス国の渓谷、断崖の岩をくり抜いて作られたクロスの幼少の頃の家もあるが……その近くにあるクロスの師が作った簡素な闘技場の端に向かい合うように座り、闘技場の中心にて白い毛並みを持つ不思議な生き物と遊ぶカイの姿をバエル共にルイとクロスは見つめていた。 「……貴様らが行方知らずの間の事はわかった。で、さっき話した事の返答はどうだ?」 「ファイアードレイクの王が俺に依頼があるという事、そして新しい組織の手伝いか……後者の方はもう少し考えさせてくれ、その前に、会うやつがいるからな」  ルイはクロスの隣に座って寄り添い、二人の話を見届ける。かつてこの場所でクロスとバエルは激闘を繰り広げた……そんな二人が再び相見えたことで最初はまた戦うのではないかとも思ったが、バエルも以前よりも落ち着いていて……いや、クロスがすっかり父親となった事もあってか、落胆こそ行かずとも戸惑っているようにも見えた。 「しかし……まさかお前がワンド様の師を引き受けたとはな」 「少々手厳しくしたがな。だが彼も既に一人前の召喚札師(リスナー)だ、もし再び会うと言うならばもっと牙を研ぎ澄ませておく事だ……そうでなければ、この俺も面白くはないからな」  ルイに答えたバエルはクロスへ釘を刺しつつその場から立ち去った。それを受けてか、クロスも召喚札師(リスナー)として研鑽する事を再びするようになり、ファイアードレイクの王の依頼として王の息子を仲間(アセス)としたり……元々いた仲間(アセス)達の強さにも磨きをかけ、その姿にはカイも何かを学ぶようになり……ルイも、そんな彼の姿に心がやすらぎ、そして、疲れ果てた彼を優しく抱き止める。
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