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第12話 「感情移入」と「憧れ」と「欠点」について

■「感情移入」について 小説は、一人称の場合は特に、主人公目線で物語を読み進めるため、主人公に感情移入できるかどうかが重要なポイントになります。 主人公に感情移入できない物語は、主人公が感じている事や言っている事が理解できず、「この主人公は何を言ってるんだ」という気持ちになり、酷い時には不快感すら覚える事があります。 主人公を考える場合は、感情移入ができるかどうかをしっかり考えて作りましょう。 ■感情移入に必要な事 ●自分に近い。 年齢や性別、生活環境など。 読者が中学生だった場合、一児の父が主人公で子育てに困っていたら、共感する部分がないため、感情移入する事ができません。 ●自分と考え・気持ちが似ている。 かわいいヒロインのしぐさやセリフに、主人公がかわいいと感じた時、読者もかわいいと感じていると感情移入します。 ●親しみを感じる。 超エリート学校に通い、友達との友情よりも勉強時間を取り、企業する事が目的という主人公の場合、実際にクラスにいたら仲良くなれるかどうか考えてみても、「僕は忙しいんだ。話しかけないでくれ」と言われそうで、親しみを感じるどころか取り付く島もない気がします。 逆に、普通の学校に通い、成績も平均的で、クラスでも特に目立たず、休み時間には男3人でラノベや漫画の話をしている主人公の方が、親しみを感じる人は多いと思います。 ■憧れ・魅力 感情移入がしやすいだけの主人公は、平凡でどこにでもいそうなキャラになってしまい、憧れや魅力を感じにくくなってしまいます。 憧れとは、「自分が持ってないものを持っている存在に、自分もなりたいと思う気持ち」です。 主人公に感情移入した読者は、憧れている主人公になってうらやましく思うような状況を、主人公を通して体験します。 物語を読むと、「憧れている存在に自分もなれる」という事で、物語を楽しんで読み進めてくれるようになります。 ■憧れやすいもの たくさんの女の子と一緒に学園生活を過ごしていて、みんなから好意的な目で見られている。 誰よりも強く、悪い敵をかっこよく退治できる。 自分しかない特殊能力を持っている。 大豪邸に住むお金持ち。 ■「欠点」について 「憧れる人物」は自分にないものを持っている存在で、「感情移入する人物」は自分に近い存在となり、真逆になってしまいます。 「たくさんの女の子と一緒に学園生活を過ごしていて、みんなから好意的な目で見られている」をそのまま使ってしまうと、いつも女の子にモテモテという存在になってしまい、自分がモテモテでない場合、共感しずらく感情移入する事ができません。 そこで、この人物にマイナスになる要素「欠点」を加えます。 「人と話すのが苦手で、休み時間はいつも一人でいる」という欠点を加えると、人と話すのが苦手な人や一人でいる事が多い人は、共感して感情移入しやすくなります。 つまり、「人と話すのが苦手で、休み時間はいつも一人でいる」主人公が、何かをきっかけにして「たくさんの女の子と一緒に学園生活を過ごしていて、みんなから好意的な目で見られている」ようにする事で、感情移入させた状態で女の子にモテモテの学園生活を疑似体験してもらえるようになります。 相反する「憧れ」と「感情移入」は、「欠点」を入れる事で繋がるようになります。
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