16 / 25

第二章二節

 次の目的地はリックランプ。話し合いの後ワンドはすぐに連絡をつけに出かけ、アマツとフィンもそれぞれの部屋にて休み明日に備える。  ザナディアルトの本戦は長く険しい旅となる。その中で支え合い助け合える存在は心強く、共に成長する喜びも得られるのだろう。  暗い部屋にて上着を脱いでベッドに横たわるアマツは自分のカード入れを見つめながら深く考える。これからの旅の事、フィンは幼馴染なのでよく知ってるがワンドはよく知らない……どころか秘密を隠している。  だがワンドからは悪い気配はしない。召喚札師(リスナー)として修行をし、最初は地元周辺から仕事を始めてサラマンディス国全域へと拡げていったが、その過程で悪徳業者や召喚札師(リスナー)という者にも出会っている。 (ただの召喚札師(リスナー)、ねぇ……)  願いがあり、それを叶えるのは皆同じとはワンドの弁。歳は自分よりも少し年上、とは思っているが、年齢に見合わぬ経験を積み重ねているような気はした。  彼の話通りなら、幼い頃の経験が確かなものとして今の彼の下地となり、召喚札師(リスナー)としての彼の力にも繋がっているのだろう。  だがそれは、自分も似たようなものだ。  幼い頃に助けてくれた召喚札師(リスナー)……その出会いがあったから今の自分があり、ザナディアルトに参加し高みを目指したいと思えている。いつの日か会えるのその日に、胸を張って感謝を伝えたい。  カード入れをベッド横の丸テーブルに置いてからアマツは目を閉じて眠りにつく。明日はリックランプの街での行動、認定召喚札師(リスナー)とも戦えるかもしれない……緊張よりも興奮の方が強いものの、そっとフタをして静かに眠りに落ちて行く。 ーーー  朝日が窓から射し込み部屋を明るくし始め、アマツは眩しさを感じ目を覚ます。頭はまだ覚醒しきれてないが、身体を起こして腕を高く伸ばしそれを促す。  起きてまずするのはカード入れを手に取り身につける事。召喚札師(リスナー)にとってカードと、そこに宿る仲間(アセス)はかけがえのない存在……身に着けておく事で繋がりを感じ、対話もできるのだ。 (おはようお前たち。イザヨイ、はまだ破壊(ブレイク)してるな) (おはようございます。今日のところはゼクス達に任せてゆっくり休ませてもらいます、まだあいつら寝てますが)  対話に応じるのは水狐(すいこ)のイザヨイ。昨日の試験で破壊(ブレイク)されまだ回復しきれてないようだ。  破壊(ブレイク)状態は時間がかかるものの自然に回復する。もちろん破壊(ブレイク)状態を回復するカードもあるにはあるが、入手困難の為持っていたとしても余程の事がなければ使われる事もない。  アマツにはイザヨイの他にリンドヴルムのゼクス、そしてもう一体の仲間(アセス)の計三体いる。ゼクスは卵から育てた仲間(アセス)、残る二体は修行の過程で出会った。  もちろん、ザナディアルト本戦の合間に新しい仲間(アセス)と巡り会えるかもしれない。そうした未知なる出会いもまた、召喚札師(リスナー)にとって心躍るものである。
良い
エロい
萌えた
泣ける
ハラハラ
アツい

ともだちとシェアしよう!