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第二章一節b

「カードに関しては帝都エンペリオスで補充って方法もあるかな。召喚札師(リスナー)の専門学校があるからここでもカードは買えるけど……」  ふと、ワンドはエンペリオスの話を始めた途端にアマツが何か言いたそうな表情をしてるのに気づく。嫌がっている、とは少し違うそれは、フィンがアマツに代わり明かしてくれた。 「こいつの妹さんがその専門学校に在席してるんです。ねーアマツ」 「言うな!べ、別にあいつが心配だとか……そんなんじゃない!」  顔を赤くしてあたふたしながら誤魔化そうとするアマツにワンドは微笑ましく感じ、フィンはニヤニヤしつつ小さく手をあげてワンドへ質問を促す。 「ワンドさん的には大会をどう勝ち抜こうって考えてます?」 「まずはカードを揃える所からって考えてるよ。試練の場所は決まってるけど、その途中で戦う事もあるだろうから準備はちゃんとしておきたいし……あとは認定召喚札師(リスナー)も倒せる人は倒したいなって」  認定召喚札師(リスナー)、とはザナディアルトを運営するディバイダースが認めた特別な召喚札師(リスナー)である。  基本的に参加者としては大会に出てはいないものの、彼らを倒せれば高得点が得られ必要な対戦回数を大幅に少なくする事ができる。  しかしその分強さは指折り付きとされ、さらに誰が認定召喚札師(リスナー)なのかは公開されてる者もいればそうでないものもおり、参加者に混じっている場合もある。 「認定召喚札師(リスナー)……強いのか?」 「とてもね。だからこそいい修行にもなるし、もし負けても得られるものも沢山あるから無駄ではないと思うんだ。僕は何人かと知り合いだから紹介できるよ」  強い相手との戦いを望むアマツにとっては認定召喚札師(リスナー)の存在は大きなもの。と同時に、やはりワンドが一体何者なのかフィン共々気になり、じっと揃って視線を送ると微笑みで返されてしまう。 「僕はまずカードの補充をしたいからリックランプかエンペリオスに行きたいなって考えてる。二人は気になる所とか、行きたい所はあるかな?」 「わたしはこの辺に詳しくないからワンドさんにお任せします。アマツ、あんたは?」 「強い奴と戦いたい!」  ワンドの問いにフィンは冷静に応えるもアマツの直球すぎる答えに呆れ果て、対するアマツはそんな彼女の反応に理解ができていないようだった。  二人の意見を踏まえたワンドはあごに手を当てて思案し、何かを閃くとこれからの計画について地図を指さしながら語り始める。 「それならまずはリックランプだね。カードの補充も召喚札師(リスナー)の情報も色々揃うし、知り合いの認定召喚札師(リスナー)にも今から連絡すれば会うくらいはできると思うよ」 「やっぱりあんたって何者なんだ?」 「ただの召喚札師(リスナー)、だよ」  認定召喚札師(リスナー)とも知り合いというワンドが只者でないのはアマツもわかっているが、やはり同じように質問し同じ答えと微笑みで返される。  同時に、彼と戦いたいという思いも胸の中で芽生え始める。召喚札師(リスナー)はカードに思いを込めて戦う者、戦いを通してなら言葉以上に召喚札師(リスナー)は理解し合えるのだから。
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