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第二章一節

RESPECTー目指す者ー ーーー十二年前、サラマンディス国タールの村近くの岩石地帯。  エレメンタリスの西側に位置する大国サラマンディス国は火の国と呼ばれ、その名の通り火山地帯が非常に多い。  過酷な環境を切り拓き生き抜いてきた人々はその地に根付き暮らしている……タールの村もその一つ、凶暴な魔物が生息する地域の中にありながら召喚札師(リスナー)の力もあり平穏無事でいられた。  そんな村でアマツとフィンは家族同然に育ち、村の召喚札師(リスナー)の姿を見て自分達もいつかと夢を見る幼い頃。  大人達の後にこっそりついて行って召喚札師(リスナー)としての姿を見る事を度々繰り返し、見つかっては怒られつつ目を輝かせる毎日……だが、その日は普段と違っていた。  何気ない事でアマツと口論となり、フィンが一人村を飛び出して行方知れずとなった。村の大人達総出で探し、アマツも責任を感じて待っていろという言いつけを破って探しに行き……岩場にて魔物に追い詰められるフィンを見つけ、しかし戦う力を持たない為に共に逃げ出すのが精一杯。  やがて、崖際に追い詰められたその時……一人の見知らぬ召喚札師(リスナー)に助けられた。  フィン共々記憶は正直あまりない。恐怖で追い詰められていたのもあり、具体的にどのような召喚札師(リスナー)が助けてくれたのかもわからず、村に届けてくれた時にも名乗らなかったという。  唯一覚えているのは、仲間(アセス)と心を通わせて戦っていた事、魔物を退けはしたが殺さずに忠告に留める形で逃した事……そしてよく頑張ったなと声をかけ頭に手を置かれたこと。 ーーー  それから十二年の歳月が経ち、アマツは召喚札師(リスナー)大会ザナディアルトに挑む。召喚札師(リスナー)として高みを目指すこと……いつの日か自分を救ってくれた人のようになりたいと、今も変わらずに願い続けている。  プラッタの街にて幼馴染のフィン、そして偶然出会った謎の青年召喚札師(リスナー)ワンドと共に大会本線通過を目指す事となり、表通り沿いの三回建ての宿にて今後の計画について話し合う事となる。 ーーー 「それじゃあ、詳しく説明するね」  夕食を済ませてからワンドの部屋へとアマツとフィンは訪れ、四角いテーブルの上にワンドの友人でもあるグレムリンのハントが地図を拡げ、四隅に重し代わりなのかネジなどの金属を置いている。  地図はエレメンタリスの世界地図。一つの大きな大陸が東西南北に様々な地形を持ち、北のシルファス、東のアンディーナ、南のナーム、西のサラマンディス、そして中央のアリビュスの五つの国と地域を主としている。   今現在いるのはエレメンタリスの中央地区にあたるアリビュス領内、元々は名もない中立地帯だったが現在は天帝が住む帝都エンペリオスが治めており、名前をつけた形だ。その帝都から北に少し行った場所にプラッタの街はあり、ワンドが指をさしてから少し北の方に指を進め、丸い印のある場所を指していく。 「ここから少し離れた所にはリックランプの街があるのは知ってるよね。大抵の召喚札師(リスナー)はここを拠点にするはずだから、参加者と戦うのにも適してるしカードの補充もここでするのが一番いい」  リックランプの街はエンペリオス以前に中央地区の実質的な当地国。現在はそれをエンペリオスに譲ったが、召喚札師(リスナー)の扱うカード等の製作・販売を生業としてるので召喚札師(リスナー)にとって必要不可欠な場所。  ワンドの話すように拠点とする召喚札師(リスナー)も多いのはアマツもフィンも知っており、うんうんと頷いてワンドに応えて彼に続きを促す。
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