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第2話

腹の激痛で気がついた。目の前には泉がある。そして何故か泉のそばに、一人のヒゲのおっさんが現れている。 「あいつ以来か。ここにたどり着いたのは」 「……あ、あいつ?」 「お前も叡智を手に入れに来たのか」 「そりゃ入るなら……手に入れたいね」 「ならば、身体の一部を捧げよ」 「……おっさん、か。聞いたことがあるぞ、北欧神話の知の巨人……良いぜどこでも」 「よし、では……ってあれ?おかしいぞインストールできん。ってお前何死んでんのバカなの!?これ契約違反になるんじゃないか!?ちょっと待てちょっと待て!」 何か遠くでおっさんが騒いでるようだが、意識が遠くなっていく。まるで身体を外からみているようである。 「……くっそこうなったらヤケだ!こいつの身体を基に再構成、ってヤバい情報が失われてく!もう再構成間に合わん!?……なら身体情報、DNAもとに新規構築!ちょっとだけ身体新しくなっちまったがまぁいいだろ、脳内の情報のコピー!よっしゃ!インストールもいけそうだ!おい!」 「……んー?なんだよもう少しで死ぬとこだったのに死なせとけよ」 「馬鹿野郎ここに来た上契約したのに死なれたとか、こっちが困るんだよ」 「知の巨人も大変だな。途中から言い方がやけにフランクになっているが」 「こっちが素なんだよ気にすんなもう。ところで私が聞くのもなんなんだが、最近やたらこの知の泉に死体が放り込まれてることあったんだが、何か知らないか?」 知の巨人なのに知らんのかよ。思い当たるフシがなくはないな。なんかよくはわからんが、あいつ他にも似たようなことしてたのか。 「よくわからんツボがあってだな、そのツボに死体を吸わせてるヤツがいたんだがそのせいか?」 「……そのツボって……まさかと思うが……そのまさかか!どこに行ったかと思ったら地球か!神聖装具(アーティファクト)何に使ってんだ!バカだろそいつ!ゴミ箱扱いすんな!」 「何かよくわからんが猫小判とか豚真珠とかそのレベルだなぁ」 「全くだ。しかしお前、ここ知の泉でくたばるとかなかなかないぞ。そのせいでお前が元いた世界とのアクセスキレてる」 「え、それって」 「うん、帰るのムリ」 まじかよクソ、もとの世界に帰れないとかどうすんだよ。 「帰る方法を探してもらう必要があるな、どうしても帰りたいのなら」 「なかなか厄介だなぁ。しかしあいつへのリベンジはいずれしないと……さて、帰れないとか言われてもここに住むわけにもいかんしな。おっさんも迷惑だろ」 「もちろんそれは困る。ひとまずどっか適当に送れる世界にやるしかないな……とりあえず送れる範囲にお前が生きてける世界あるな。よしひとまずそこいけ」 「しゃーないな……」 「そこの世界で役立ちそうな情報インストールしているからな。脳に。必要なら『OK.ミーミル、◯◯について教えて』と聞け。脳内でわからないときは私が回答する」 「まさかお前それがやりたかっただ……」 ミーミルは無言で別世界へのゲートを開き、俺のことを目的の場所に投げ込んだ。著作権とか登録商標的に大丈夫なのか知の巨人。そんなことを思いながら俺はまた意識を失った。
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