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第零部‐シンとミリ。

 シンとミリが恋人期間?の様な物を始めてから丁度1年が経った。 (…ああ、今日になったのね…)  ミリは起きて早々に言いようのない不安感に襲われた。 (フラれる可能性もあるのだから…まだ、期待しちゃダメね)  更に不安感を抑えるように、自身を落ち着かせるようにそんな思考を自身の頭の中でぐるぐると回す。 (今の時間は…)  ミリの目には時計の針が5を示しているのが見えた。 (起こすには…少し早いわ…)  今すぐに隣の男を起こして、答えを聞きたい衝動に駆られる。…が、それでも我慢する。 (…最後の最後で嫌われるのなんて嫌よ)  そんな思いを抱えながら同衾している事実を切るように上体を起こした。 「はあ…」(この時間が辛い…)  不安、焦燥、様々な物が自身の中で入り乱れていくのを感じる。 「ねえ…、後生の願いだから、早く起きてくれないかしら…?」  ミリはそんな事を言いながらちらりとシンに視線を向ける。それでも…起こさない。我慢する。 ☆☆  そんな思いを抱えて1時間が経った頃…。 「くあ…ふあ…、…今日もミリは早いな」  シンはそう言いながら目を覚まし上体を起こしてミリの隣に、壁に寄りかかった。 「ええ…そうね。ねえ、結局私は…貴方の事が好きよ。…貴方はどう?」  ミリは抑えられずにシンの方に体を傾けてそう告げる。  当然聞かれたシンは朝っぱらのせいか少し面食らった。起き抜け一発目からこの問答だ、目を白黒させてしまっても仕方が無いだろう。 「…そうだな。そうか、丁度1年か…。ちょっと待っててくれ」  …が、そんな事を言われたシンは、問いには答えずにベッドから降りた。 「え?ちょっ…」  流石にこれにはミリも焦る。焦燥がもろに顔に浮かび、ベッドから降りようとするシンを無意識に追いかけようとして半ば掛かっていた布団から体が出てしまった。 「これを受け取って欲しい」  シンはそんなミリを抑えるようにそう言って、一つの腕輪を渡した。 「…これは?」  ミリの知っている文化に腕輪を送るなんて物は無く、シンもそんなつもりでは送っていない。 「アイテムボックスだ」 「そうなの?」  ミリはシンの意図が読めなかった。 「それは色々と物を入れるだけの入れ物だから、まあ…良いだろう」 「は…はあ」  勝手に納得されてもミリは頷くしかない。 「ミリに渡したかったのは…こっちだ」  シンは1本の布に包まれた何かを取り出してミリに渡した。 「取っても良いのよね?」(…重たい)  神祖の吸血鬼ともあろうミリが重たいと思うのだから、それは恐ろしく重たいのだろう。 「ああ、もちろん」  それを聞いてミリはその布を捲る。中から出てきたのは1本の短剣だった。 「これ…凄い」 「私はこれを貴女に渡して…永遠を共にする誓いにしたいと思う」  シンが渡した短剣には特殊な能力もきらびやかな飾りも無い。だが、物凄く重く恐ろしく鋭い直剣だった。  それは真っ直ぐに重く愛するというシンなりの表現方法だった。  切れ味が鋭過ぎる故にそれを隠す為に巻き付いていた布もかなりの素材から作られている。それでも掠っただけで(ほつ)れてしまうのだから恐ろしい剣である。 「…本当に?」  ミリはシンと短剣を二度見してそう言う。 「ああ、ミリの返事には足りただろうか?」  シンのその言葉を聞き受け取った短剣を、丁寧に壊れ物を扱うかの様にベッドに置く。 「…足りるに決まってるじゃないっ!!」  そしてミリはベッドから飛び出す様にしてシンに抱き着いた。それからそのまま押し倒して、無理矢理舌をねじ込むようにして唇を合わせた。 「…ん…、…ずっと我慢してたのよ?」 「…それは…意外だな」  シンは唇が離れた途端に告げられた言葉に目を丸くする。 「…嫌?」  シンよりも背丈の高いミリは、完全に覆い被さった状態で彼に訊ねる。 「まさか…求められてる以上嫌なものか」 「…良かった」  シンは自身の上に覆い被さったミリの腰に自身の腕を滑らし、反対の腕で彼女の首に腕を回す。そのまま強引に自身に彼女の唇を近付け、尚且つ自分からも合わせに行く。 「ん…」  それから少しの間を合わせたままで止めた。 「…まあ、とは言え今は朝だ。夜になってからじっくりやらないか?」 「ん…そうね。…わかったわ」  少し名残り惜しそうにしながらもシンの言葉を聞いて、ミリは覆い被さっていた彼から離れたのだった。 ☆☆☆ 「おめでとーっ!! シン兄、ミリ」  シンとミリが一時中断して朝食を取るために食堂に入ると、アイがそう言った。 「…見てたのか?」  そんなアイに対してシンが問い掛ける。彼女が隠れて見ているだけなら彼は気付けないからだ。 「いやいやいや…そんな無粋な事して無いよ? でも、ミリの顔色は悪くないし、そもそもシン兄がフるなんて思ってないし…」  どうやらアイは覗きはしてないようだ。 「まあ…そうだな。間違ってないよ。ありがとう」  アイの言葉を素直に受け止めて、シンは礼を言った。 「おめっとさん」  今度はレオンがそう言った。 「ああ」「ありがとう」 「しっかし、良いもんだよな…そういうのは」  そう言いながらレオンはいつも通りに皿を並べて行く。 「それはそうだろうな。良いものだろう」  シンはレオンに対してそう返した。 「まあ、そういう訳だからよ。座って大人しくしててくれ」 「…いつも通りだな」  レオンは"おめでたい日だから"というニュアンスを含めてそう言うが、日頃から彼が準備しているうちにシンは座ってしまう。 「いんや? そうでもねえよ?」  レオンがそう言うと、突然現れたガウリエルがミリの手を取って、どこかへ連れて行ってしまった。 「あ…おい…」 「だから待ってろっての」  レオンがそうは言うが、連れ去られたミリも驚いた顔をしていた。 「…何をさせるつもりだ?」 「まあ…な、見てりゃあわかるさ」  シンは問い掛けるが、やはりレオンは答えない。 (恐らく裏に居るのはレイだろう。…なら心配する必要は無いか…)  心で理解していても、やはりシンは気にならざる得ない。  だが。それも束の間… 「すみませんね、シン様。ミリ様はお返しします」    ガウリエルはそう言ってミリをシンへと返した。そこまで時間も掛からずに、普段着のまま彼女は帰ってきた。 「…うん??」 (てっきりお粧しをして出てくるものだと思っていたが…)  思わず拍子抜けすると同時に、いったい何をやっているのだろうとシンは思う。  それから少しして、レイ、フィリカ、ガウリエルがいつも通りに朝食を持ってやって来た。 (…うん?)  シンは今まで居なかったリオンがアイの隣に居る事に気が付いた。 (なんだ? …何がどうなってる?)  これから何がされるかを本当に予想が出来ず、シンは首を傾げざる得なかった。 ☆☆☆☆  それから朝食の時間が終わる寸前に…突然、シンの隣にレイが現れた。 「…おめでとうございます」  レイが座っているシンにそう告げた。と、同時にシンに向かい合うように座っていたミリの姿が歪む。 (…これは幻影?)  シンはそう思う。 (気が付かなかったのは…アイの仕業か)  それから誰の仕業かまでもを見当つける。 「主、立ち上がってください」  レイはシンにそう告げると同時に、彼の前にあった皿やテーブルなどの全てをどこかへと消し去ってしまった。  シンは言われた通りに立ち上がる。 「…男の見せ所ですからね?」  レイはそう言うと同時に、シンの隣から消えた。 (男の見せ所だと言われてもな…)  シンはそう思い、思わず苦笑するしかない。だってこれから何が起こるのか、彼は知らないのだから。  やがて目の前の幻影は晴れ渡り、紅色のドレスを着たミリが見えた。  それは金色の髪に、紅色の目に、とてもとても良く似合っていた。 「…どうかしら?」  ミリは少し照れながらもそう言う。 「とても似合ってる」  シンはそう返すと同時に、自身が着ている服の上に瞬時に騎士が着るような鎧を形取り、生み出した。  当然強度はほぼ無く、見た目重視な礼装でしかない。完全な即席である。 (流石シン兄)  アイは隠れて色々と動きながら、そんなシンに対してそう思った。急遽な生成など、普通はやろうと思っても出来る筈が無い。 「シン、これから…」  その先の言葉は無く、大胆に皆の前でシンに口付けをする。 (さっきの仕返しの様な物だろうか…?)  シンは寝起きに自身がした事を思いながら、内心でそう呟く。  そんな中、唇は離れた。 「…これからは貴方と共に永遠を過ごす事を誓うわ」  吸血鬼だからこその、本物の嘘偽りない永遠の宣言。 「その誓い…受け取ろう…」 「え…きゃっ…」  シンはミリを抱え上げてしまった。 「今日は部屋に篭る。…ありがとう」  お膳立てをしてくれた他の皆にシンはそう告げて、突飛にも、そのまま食堂から出て行ってしまった。 「行ってしまいましたね」 「…シンの奴…少しも照れなかったな…」 「流石シン兄って感じ…」 「この後は激しそうですね?」 「まあ…喜んでもらえたみたいだし、準備したかいはあったかな?」  取り残された者達はそんな彼らを見送り、通常運転に戻って行くのだった。 ☆☆  自らの寝室へと、シンはミリを運んだ。ゆっくりと彼女をベッドに下ろす。 「驚いた?」  ミリがまるで悪戯っ子の様な顔で言う。 「まあ、そうだな」  シンは凡その予想はしていたが、それでもそう答えた。ミリがドッキリを仕掛けてくるの事は想定内だったが、その手段までは知らなかった。 「…優しくして…ね?」  ミリは早速、自らが着ていた赤いドレスをアイテムボックスに仕舞い、下着とガーターベルトという服装でシンを誘った。  初めてだから少し怖いのだろう。 「その格好でそんな事を言われてもな…」  ミリは今すぐに飛び掛かられても可笑しくない格好をしている。シンはそれに溜め息をつく。 「…え?」  ミリにはそんな意図は無かったのだろう。思わず首を傾げた。 「まあ良い。そういう事をするのだろう?」 「ん、来て」  ベッドの上で、シンを誘うようにミリは両手を広げた。  シンは吸い込まれるように、ミリの上に四つん這いになる。  すると、すぐにシンの背には腕が回され、ミリは彼の背を支えにして唇を重ねた。 「…もう、熱くなってる」  色気たっぷりの顔で、シンを誘おうと言う。 「ひゃんっ!?」  シンの腕が、いきなりミリの留め具を外し、彼女の乳房が明らかになった。 「…まじまじ見られると恥ずかしいわ」 「下も外す」  シンは片手で、器用にもミリのアソコを隠している布を下げた。 「ああ…全部見られちゃってる…」  赤面するミリ、そんな顔を見て、シンは少し興奮を覚えた。 「あっ!?」  ミリの乳房が片方だけ鷲掴みにされ、秘部にもシンの手が伸びる。  そして彼の指が秘部の割れ目を撫でる。 「ああ…待って、凄い…」 「可愛い」 「んうっ」  再度、また唇を重ねる。舌と舌を重ね合わせ、ねっとりと絡ませていく。そしてまた、唇は離れ、唾液が糸を引く。 「初めて…なのは間違い無いな?」 「…ええ…間違ってないわ」  彼女は秘部を撫でられているせいか、息遣いがどんどん粗くなる。 「ひゃんっ 待って、引っ張っちゃダメえ…」  彼の指が小さな局部を引っ張ると、驚くほどにミリは反応した。 「…軽く解すからな?」 「解すって…そこおっ!?」  ミリのクリトリスを徹底的に責める。弄られている彼女はいじらしく声を上げないように頑張っている。 「叫んで良い」 「…そんな事言われても…」  前座だけだからかもしれないが、彼女は声をあげることに抵抗があるらしい。 「あっ…胸…」 「柔らかい、それに肌も綺麗だ」  彼は一旦秘部へのアプローチを止め、彼女の胸を、乳首を重点的に弄り始めた。 「嬉しいけれど…その、ああん…」  悩ましい声を小さくあげる彼女の顔は完全に…。 「そろそろ、下に入れる」 「…痛いのよね?」  ミリは処女である。故にシンもかなり気を使っている。 「だから解す。…多少は改善されるだろう」 「ん、気を遣ってくれてありがとう」  ミリは色気たっぷりの顔で、シンに下から目線で言う。 「んああっ!? …ふあっ」  とうとう彼女の中に、彼の指が1本入った。  彼女は入っただけなのに、1本しか入っていないのに、敏感にも身体を拗らせて震わせた。 「凄い締めつけだ。指1本でここまでとなると、先は長そうだな」  シンはそう言いながら、自らの第一関節を曲げ、Gスポットを突き上げる。 「やあっ…」  ミリは突然の刺激に、あっさりと絶頂を迎えてしまった。 「いっちゃった…」 「そんなに気持ち良かったか?」  もう一度、いった時の要領で、彼女の内側を突き上げてみる。 「続けてはダメえっ…」  ミリはその刺激に身体を震わせ、必死に彼の身体をかき集めるように抱きしめ、そして刺激をどうにか逃がそうと、ぎゅっと、彼と自らを密着させる。 「おかしくなっちゃう…」  若干汗を含んだ金髪が要艶に揺れている。 「2本目、入れるぞ」  そんな中、シンはさらにもう1本の指を追加した。 「ふあっ!?拡げられちゃう…!!」 「拡げてるんだ。好きなだけイけ」 「そんな事言われたってえっ!?」  彼女の蜜壷からはとめどなく愛液が流れ、止まる気配を一切見せない。  じゅぽじゅぽと穴に何度も指を往復させた。  ミリはとても気持ち良さそうな顔をしていて、声を堪えるのもやっとという具合だ。 「ああっ!? 連続なんて…いやあっ」  そしてまたも頂きにたどり着いたミリは、今度は身体を仰け反らせた。紅色の目は綺麗にも潤んでいた。 「ああ…幻滅しないで…」  ミリはシンを抱き締めていた手で自らの火照った顔を隠す。  自身の秘部は本当にめちゃくちゃになっていて、トロトロととめどなく流れている。 「する訳無いだろう。…可愛いな」  シンは、そんな1つの動きも愛おしく思えてしまう。 「可愛いって、そんな…」 「さて、1本追加だ」 「え…やああん、んっ…んう…」  3本目の指を蜜壷に入れると同時に、シンは彼女の唇を奪い、また、舌を絡ませる。  そして、舌が絡まった声を出せない状態で、3本の指で彼女の蜜壷をかき回し始めた。 「んうっんんっ んうぅぅ」  ミリは声が出せないので呻くだけしか出来ない。  そして、シンの指は-雑では無いが-激しく蜜壷をかき回す。  そしてまた達してしまった。 「んうっ ひゃあん あっ…」  そして、指を抜くと同時に、シンはキスを一旦やめる。少しだけ彼女から距離をとった。だから、抜かれた快感でミリは声が漏れてしまう。 「気持ち良過ぎて…初めてなのに…」 「良いじゃないか。私は嫌いじゃない」  シンは自らのそそり立つ肉棒を取り出した。 「お、大きい…」 「そろそろ、私も限界だ」  今までイかすだけに留めてきたシンも、もう我慢の限界だった。彼女はもう少し肢体の美しさを理解すべきかもしれない。 「来て…優しくして…」  ミリは愛液がとめどなく流れる秘部を拡げて、シンを誘った。 (あ…空気が中に…)  蜜壷の中に空気が入り込み、それだけで彼女は感じてしまったようだ。 「…ああ」  ずぷぷぷ…。 「ああんっ」  入って来た。その事実だけで身体が今以上に火照り出す。 「…痛いぞ」 「んっ…」  頷くだけで返す。そんな彼女を見て、彼は一息に奥底まで貫いた。 「あっ!? …痛い …けど、なんか、奥に当たって…」  ミリは自身の奥に頭突きをした肉棒が、その感覚に痛みが緩和された様に感じた。 「少し止めるか?」 「ううん…動いて、その…奥を突いて欲しい…」  彼女はシンの提案を拒否して、本能のままにお願いする。 「…こうか?」  言われた通りにゴンゴンと奥を突いてみる。 「あっ ひゃあん んうぅぅ」  すると大当たりを引いたのか、ミリは身体をよじって喘いだ。今までよりも強力な喘ぎ方、まるで喘がざる得ない様なそんな声だった。 「す…ごい…」 「凄い顔になってる」 「だってええ…ああっ」(無理無理無理、こんなの絶対耐えられない…)  ミリの蜜壷は今まで以上に愛液を溢れ出させ、彼の肉棒をきつく締めつける。 「これは…凄い…な…」  シンもそれなりに限界に近付く。 「やっ あっ んんう」  大股開きをして、あるがままに肉棒を受け入れるミリは、シンの性欲を刺激する。  何度も何度も、奥を叩き入口を出入りし、愛液を溢れさせる。  ぎゅうううううううっ  出来るだけシンと向き合っていたい、けれども快感で身体を捩らざる得ない。だから、シンの手を精一杯握って、何とか捩らないように耐える。 「あっ やあっ んんうぅぅ」  止まらない声、我慢出来る気配すらない声、そんな声ばかりが部屋を響き渡る。 「あっ…やあっ くっくるっ」 「…合わせよう」 「ああああああああっっっ」  ミリはベッドの上で身体を弓形にしならせる。達した。  そんな中、シンはそのビクビクと震える身体にトドメを与えるかの様に、彼女の奥に擦り付け、中に大量の白を注ぎ込んだ。 「やああああっ…」  絶頂を迎えた直後の弱り切った身体に、子宮に、大量に注ぎ込まれ、更に体はしなる。 「あ…、待って…まだ、動いちゃ…」  注ぎ込まれた彼女は抜こうとする彼に待ったをかける。 「ひゃう… 意地悪…イったばかりなのに…」  抜くのがダメなら…とでも言うように疲れ切った身体に肉棒を叩き付けると、ミリの声が強制的に発せられる。 「でも待って…おねがい…抜かないで…」 「はあ…、したいのはわかるが一旦休もう。身体が限界な筈だ」 「ああっ…」  ドロッと、彼の肉棒が蜜壷から引き抜かれると同時に赤く濁った白い液体が溢れた。 「あ…ダメ…何だか…」  意識が遠のくのを感じているミリは抗おうとする。 「おやすみ、…私も寝たい」  そんな彼女をやさしく抱きしめて、もう一度、休むことを促したのだった。 ☆☆☆☆  それから時間が経ち、レイはアイと2人でダンジョンに潜っていた。シンらが楽しんでいる間に先に進んでしまおうと考えたのだ。 「レイ姉は相変わらず速いね…」  アイは魔物の首などの急所に一撃与えながら、先を疾走するレイを追いかける。 「まあ…負けるつもりはありませんよ」  レイは前方を塞ぐ魔物を瞬殺しながら先へと進む。どんな魔物であれお構い無しに正面から叩き潰していた。 「よっと、ほいっ!」  アイは今まで刈り取った魔物に、自身の位置も存在もバレていない。 「・・・」  レイは淡々と魔物を切り裂いて先に進む。…正直、どちらも大した差が無いようにも思える。 「…辿り着きましたね」 「うん」  レイとアイは52階層へ向かう為の階段を見つけた。 「行こう。レイ姉」 「ええ、さっさと進みましょう」  そうしてレイとアイは階段を飛び降りる。それから地面に着地するなり先程と同様に凄まじい速さで走り始めた。 「…レイ姉、先にオーガが5体。前から順に2、2、1だよ」  アイはかなり先に居る魔物を探知してそう言う。オーガとは3mは確実に超える魔物である。 「最後の1体は早い者勝ちです」 「…良いよ」  だんっ!!!!  レイとアイは更に速くなる。やがて目標のオーガが彼女らの目に移る。  アイの方が一足早く1体目を狩る。 (よし、レイ姉より速い…)  アイは更にもう1体を狩ろうとした所で、レイの方から物凄い音がする。 (えっ…それは狡いって…)  アイは思わずレイの行動にそう思った。そんなレイは縦に並んでいた3体を一気に"トランスアーム"を鋭く突き刺して串焼きにしていた。 (一撃でやれるなら僕に勝ち目無いよ…)  心でぶーたれながらも、アイは2体目の首を刎ねた。 「レイ姉のそれはちょっと狡いと思うんだよね」 「…アイも中々だと思いますが?」 「いや…流石に一撃では無理だから」 (まあ…自覚はあるけどさ…)  アイも自身が人外になった事は理解していた。それでもレイ程ではない事を再度理解する。 「そんな事は気にしないでさっさと次に行きますよ?」 「はいはーい」  そうしてまたもや、凄まじい速さで彼女らの脚は動き始めるのだった。 ☆☆☆  場面は移り変わり、シンの私室では…。 「んう…」  ミリが目覚めた様だ。 (あ…やっ…まだ…残ってる…)  どうやらやり過ぎてしまったらしい。 (お腹がじんじんする…本当にしたのね…)  隣で一糸まとわずに横になっている、自身よりも小さな男を見てそう思う。 (…体に似合わず大きかった…)  行為中の出来事を思い出して思わず、そう内心で呟く。 (声も…初めてだったのに我慢出来なかったわ…)  ミリはシンに突かれた時の情動と衝動を思い出す。またもや少しずつではあるが、体が火照っていくのを感じた。 (私…可笑しくなったのかしら?)  思わず自身の体の感覚を不安に思う。 (…シンの血が欲しい)  更にミリは横になっているシンに、今すぐでも噛み付きたい衝動に駆られる。それは吸血鬼故に…。 「どうすれば…?」  どうしようも無く求めてしまう。口からは自然と言葉が漏れる。 「…どうした?」 「あ…えっ!? …シン?」  シンはそんな呟きと同じタイミングで目を覚まし、ミリの方に寝返りを打った。 「えっと…その…シンの血を頂戴?」  恐る恐る、シンに要求してみる。 「…吸いたければ吸えばいい」 「…ありがとう」  ミリはそう聞いた直後に自身の隣に居たシンに覆い被さる、首に噛み付いた。  ミリは本能的にシンを手に入れる為に眷属化しようとした。しかし、それをやった事にミリは気が付いていないし、当然シンにも効果を為さない。  一方シンは、そんな風に自身に覆い被さっているミリの身体を、まさぐる様に触る。  そんなシンに少し驚いたのかビクビクとミリの身体が打ち震えた。 (可愛い反応をする…)  シンはそう思いながら片手をミリの乳房に、片手をミリの下半身へと這わせた。 「んん~〜っ!?」  噛み付いたまま、ミリは下がシンに触られた事により悲鳴をあげる。そんな彼女を見てシンは手を止めた。 「…大丈夫か?」 「あ…え、ええ…」(体が持たないわ…)  ミリとシンとでは格が違い過ぎるらしく、身体を重ねるだけでもかなりの差が出ていた。もし仮に、シンが自身のペースで好き勝手にやってしまったとしたら、完全に彼女は壊れてしまっていただろう。 「ん…、大丈夫…よ」 「…無理はしなくていい」  先に行為に及んだ事もあり、シンは更に求めようとするミリを優しく止めた。  シンはそっと下から抱き締め、身体を、素肌を重ね合わせる。 「力を抜け…もうこっちは何もしないから、好きなだけ血を飲むと良い」  更に逆に誘惑する様に首筋をミリに見せつけた。 「本当に…?」 「ああ」 「…言葉に甘えさせて貰うわね」  ミリは"かぷり"と可愛らしい擬音が似合う様に、ゆっくりと恐る恐ると、もう1度シンの首元に噛み付くのだった。
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