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第6話 学食と先輩とクエストボード

「あっ、そっかクエストボードの事を説明するの忘れてたなゴメンゴメン」  そういって先生はクエストボードの場所を教えてくれた。 「そう言えば私達って本来、実技テストのあとにやるはずだった校内見学してないんだった! 先生! 学園の案内をお願いします! 」  シルヴィアさんがそう言うと先生は明らかに大きなため息をついて 「俺は色々とやることが多くて大変なんだよ校内の地図を渡すから自分達で廻ってくれ」  そういって地図を俺に渡すと先生は『あぁ~忙しい~』とわざとらしく大きな声で呟き、職員室の扉を閉めてしまう。 「コレを渡すから自分達で廻れってこと? 」  俺がそう呟くとマシューは頷いて 「たぶんそういうことなんだろうな…。どうする? 」  どうするもなにも…。 「俺達でなんとかするしかないでしょ」  そういって地図を片手に学園内を廻ることにした。 ◆◇◆◇ 「あの~っ、まだですか?」  学園があまりにも広すぎて30分歩いているがまだ着かない。 「この地図を見る限りあと少しだと思うんだけど…」  そういって辺りを見渡すとマシューが何か見つけたのか 「アレじゃね? 」  彼女が指差す方向を見るとそこには掲示板の様な物があり、その前には大柄な男が立って掲示板の様な物を見つめていた。 「あのぉ~っ、すみませんクエストボードってここであってますか? 」  多数決でシルヴィアさんが聞きに行くことになった。なぜって、だって相手が男性なら聞きに行くのは女性が良いでしょ? なので必然的に俺と男に見えるマシューは候補から消えて、あとはシルヴィアの方が慣れてそうだったから。 「あぁ、ここがクエストボードだが制服を見る限り魔導候補生の1年生だよな? 見ても受注出来ないと思うが…」  そういって隣へ少しずれてくれたので 「みんな、ここだって~!! 」  シルヴィアさんは、わざわざ大きな声で俺達を呼び寄せる。 「どうしたんだ候補生がぞろぞろと? 」  そういって大柄な男は不思議そうに俺達を見つめてくる。 「クエストを受けようと思って、初心者向けのクエストってあるっすか? あっ、俺こう見えて女です」  そういってマシューが男に尋ねると 「あっ、あぁ…。簡単な物だとこの辺りのクエストだろう…」  そういってクエストボードをタッチすると『初級任務』と書かれた表示に切り替わる。 「先輩? とお呼びすればいいのでしょうか? あの、どういったクエストがあるのか先生から何も教わってないので教えていただきたいのですがよろしいですか? 」  シルヴィアさんがそう尋ねると頼られて気分を良くしたのか男は嬉しそうに説明を始める。 ◆◇◆◇  要約すると依頼には上級から初級があって小隊のランクで受けられる依頼が決まるらしい。もちろん俺達の小隊は初級しか受けられない。 「と、まぁこんな感じだが分かったかな? 」  それで大柄の男は俺達の先輩でアレックスという名前で俺達の2つ上の学年だそうだ。 「それじゃあ俺はこれで失礼するよ」  そういって先輩はクエストボードの画面を上級にしてクエストを受けて建物に戻っていってしまった。 『グゥゥゥゥゥ~ッ…』  誰かのお腹が鳴る音がした。 「食堂はあっちみたいだから行きますか♪ 俺もお腹減ったし! 」  そういって地図を見ながら食堂に移動する。 「おぉ~っ、スゲー旨そうだな! 」  食堂に入るとそこは美味しそうな料理で溢れていた。 「なに食べるか? 席取っておくから先に買ってきなよ! あと、どこの店が美味しそうか教えてくれよ! 」  そういって俺は席の確保にむかう。 「それにしても人が多いな…」  1人で席を確保にむかったが人が多く空席を見つけられない。 「おやぁ? そこの1年生君、しきりにキョロキョロしてるけど、どうかしたのかい? 」  声が聞こえるけど、どこからなのか分からない。 「ここですよ! 」    俺の視界に手のような物がぴょんぴょんと跳び跳ねている。 「手が喋ってる!? 」  驚いて目を見開いていると…。 「手じゃないから! 下! 下を見て後輩君! 」  その指示の通りに下を見ると 「まったく、後輩君は失礼しちゃうよ! 」  そこには腕組みをして立っている黒髪ツインテールの可愛らしい女の子がいた。 「せっかく心優しい私と相席だったら空いてるよって教えてあげようとしたのに」  そういって怒っている。 「その、見つけられなかったのは本当にすみません」  そういって頭を下げると先輩はクスクス笑いながら 「後輩君は真面目なんだね♪ 冗談だよ♪ 怒ってないよ♪ 」  そういって彼女は自分の席に座り直した。 「でも俺以外にあと3人居るけど大丈夫ですか? 」  そう尋ねると彼女は頷いてくれた。 「ありがとうございます。俺の名前は冨樫慧って言います。先輩、名前は? 」  そう尋ねると先輩は持って飲んでいたコーヒーカップを置いて俺を見つめて 「私の名前はエミリア♪ エミリア・ヴァンクリーフよ♪ ヨロシクね後輩君♪ 」  そういって彼女は微笑んでくれた。 「あっ、ケイが居た。おーいっ、こっちに居たぞ2人とも! 」  向こうからマシューが手を振ってこっちにやって来るけど…。  後ろの2人の目が怖い((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル 「へぇ~っ、いつのまに先輩と仲良くなったの? 私だけを見つめててって言ったのに…」  リアさん、目が…目が笑ってないよ…。 「好きですと伝えたばかりなのに、もう他の女性に…。これは誰が1番なのか聞かなきゃですね♪ 💢 」  シッ、シルヴィアさんも目が怒ってる。 「ちょっ、マシュー助けて! 」  隣に座り、ご飯を食べようとするマシューに助けを求めると 「巻き込まないでくれ、俺だっていちおう女なんだぞ! 」  そういってステーキ丼を食い始める。 「ちょっ、そんなこと言うなよ! 」  先輩は笑いながら 「ふふっ、君たちは本当に面白いね♪ これからヨロシクね後輩君♪ それじゃあ私は一旦失礼するよ♪ 」  そういって彼女は席を立ち上がり、どこかに行ってしまった。 「さてと、俺はお昼ご飯を買いに行ってくるね? ……ねぇ、その手を放してくれないかな? 買いに行けないんだけど…」  俺の服を掴んでいる2人(シルヴィアさんとリアさん)に声をかけると彼女達は笑いながら 「「説明が終わってからね♪ 有罪は確定してるけど言い訳ぐらいは聞いてあげる♪ 」」  こうして魔女裁判は始まり、俺はお昼ご飯を食べずに床に土下座をして謝ったのは、また別の話…。
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