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第4話 不屈の心

少し時間は遡り…。 「なんだよアレ…」  窓の向こうで起きた出来事に茫然としていた。 「ケイ君、ボーっとしないで! さっきの人達がこっちに向かってきてるから! 」  リアさんの視線の先には、さっきリアさんにナンパしていた男と舌なめずりをする男が俺たちにむかって火球を撃ってくる。 「くそっ!ウザったい! 」  火球を吸収しながら男達に駆け寄って行く。 「クソッ! どうしてF組のお前がD組の俺の魔法を打ち消せるんだよ! 」  打ち消してるんじゃない吸収してるんだよ!それに吸収が出来るなら放出だって留めることだって出来るはず! 「せりゃぁ~っ!!」  刀を振りかぶると斬撃が炎を纏って男達にむかっていく。 「うぉっ、何だよそれ! 」  炎の斬撃は男達にぶつかり衝撃を伴った火柱をあげる。 「なに今の!? 」  リアさんが驚いた顔で俺を見つめてくる。 「リアさんも分からないんだ…。なんだったんだろう? この刀の応用技かな? 」  そういって笑うとリアさんは苦笑いをしたあと 「リアさん、じゃなくてリアって呼び捨てで呼んでください♪ 私だってケイさん、じゃなくてケイ君って歩み寄ってるんですからケイ君だって私に歩み寄ってください! 」  そういってリアさんは自然と俺の手を握ってくる。 「リッ、リア…あのさ、恥ずかしいからさ…手を離してくれると嬉しい」  そういって頬を掻くとリアさんも握っていたことに気がついたのか顔を赤くさせて力強く手を握り直してくる。 「外に行こうぜ♪ やっぱり強い奴と戦わなきゃ! 下剋上だ下剋上! 」  雰囲気を無理矢理変えるために話を振る。 「そっ、そうだね! D組の人達も倒せるほど相性ピッタシなんだし! 」  俺達はガチガチに固まったまま外に飛び出した。 「あれ? あの子って…」  俺達の視線の先には実技テストが始まる前にナンパされていたリアを庇ってくれた女の子が立っていた。 「マジかよ…」  俺の声に気づいたのか女の子はこっちを見て笑いながら手を振ってくる。 「可愛い顔してやることがエゲツねぇ~」  そう呟くと後ろからアキレス腱を蹴られる。 「余所見は許しません! ケイ君は私だけを見つめてくれればいいんです」  そういってリアさんは後ろから俺に抱きついてくる。  なぜだろう、さっきの女の子が殺気のこもった目で俺を見つめて雷を撃ってくる。 「ちょっと、いきなり! 」  雷を刀でいなして近づいていく。 「へぇ~っ、スゴいですね! でも負けません!」  そういって女の子はあらゆる方向から雷を撃ってくる。 「まだまだ! 俺達だって一矢報いたいからね♪ リア、速度を上げる補助魔法ある? あったら足じゃなくて腕に付呪(エンチャント)して! 」  そういうとリアさんはお願いした通りに腕に付呪してくれた。 「普通そういう速度を上げる補助魔法って足とかに付呪するんじゃないのですか? 」  確かに彼女の言うことも一理あるのだが…。 「こうすることによって腕の振りが速くなるから君の雷にも対応出来るんだよ! 」  彼女撃った雷を叩き落としながら吸収した雷を利用した斬撃を放っていく。 「確かに貴方は強い、だけど周りが見えてなかったみたい♪ これはツーマンセルの戦いよ♪」  その言葉と同時に上空から矢じりが潰された矢の雨が降り注ぐ。 「それなら貴女達も私のことを忘れてないですか! 私だってやれば出来るんです! 【女神の盾】」  そういってリアさんは俺達の頭上に盾を具現化する。 「ケイ君、そんなに長くは持たないと思うからだからやっつけて! 」  そういって背中を押してくれる。  ここまでされたら勝つしかないでしょ!  俺は矢が飛んでくる方向に駆け寄るとこっちに気づいた男がリアさんへの射撃を止めて俺にむかって矢を撃ってくる。  その撃たれた矢を駆け抜けながら打ち落としていく。 「マジかよ、この至近距離の矢を打ち落とすなんて…」  そういうと彼は地面に手をつけて魔法を唱え始める。 【地盤崩壊(アースクエイク)】  そう唱えると足元の地面が割れて次々と崩壊していく。 「うぉっ! 何だよその魔法! 地面が割れるとか反則だろ! 」  そう叫ぶと校内放送が流れる 「おい、1年A組のマシュー・クランやりすぎだ! 10点中5点減点だ! あとで直す方の身になってくれ…」    さっきの教師が明らかにやる気のない声でそう告げた。 「マジかよ! 持ち点の半分減点って…」  マシューと呼ばれていた男はガックリと肩を落としていて隙だらけだったので 「いちおう勝負の最中だから、今度は正々堂々戦おう! 」  そういって彼の胴に思いっきり峰打ちをする。  よし、まずは片方無力化に成功。  そしてもう1人を無力化するために戻るとそこには倒れているリアさんが居た。 「リアさん! ゴメン、大丈夫! 」  そういって彼女に近づくと 「……ないで! う…」  上手く聞き取れない。 「なに言ってるのか分からない! 今そっちに行く! 」  そういって彼女のところに行くと 「何で来たのバカ! 来ないでって言ったのに! 私の力じゃ防ぎきれないよ💢」  そういって彼女は空を見上げる。その視線の先には 「やっぱり貴方はスゴいですね♪ 私、貴方の事が好きになってしまいました。さっきも今も貴方は困ってる人や傷ついてる人を守るために戦う気高さがあって格好いいんですもの♥だからここで選択肢を差し上げます。私は好きな人を傷つけたくありません。だからここで敗けを認めるかそれとも最後まで戦うか…。どちらを選びますか? 」  上空にいる彼女の手の平には隕石の様な火球が浮かんでいる。 「ねぇ、ケイ君はどうしたい? 私は何があってもケイ君と一緒に頑張るよ! だってパートナーだもん♪ 」  後ろを振り返るとリアさんはそう言って笑ってくれた。 「分かったリアは俺の腕に力を上げる魔法を唱えてください。俺はあの火球を打ち返す! 」  そう言って刀の形状を大剣にする。 「ねぇ、ケイ君何で刀の形状が変わったの? あとでちゃんと説明してよね♪ 」  そう言って俺の背中をパンッと叩くと腕に力が溢れてくる。 「俺の名前は冨樫慧。ねぇ、君の名前は? 」  上空にいる彼女に声をかける。 「ケイさんですね♪ 私は1年A組シルヴィア・ダイナモです。答えは決まりましたか? 」 「あぁ、決まったよ! 全力には全力で答えてみせるよ! 」  そう言って大剣を構える。 「やっぱり貴方は私の想像した通り素敵な殿方です♪ なので私も本気でいかせてもらいます!」  火球がより一層大きくなる。 「いきます! 【隕石(メテオ)】! 」  その言葉と同時に巨大な火球が空から墜ちてくる。  俺はグラビティシューズを履いて起動させ宙に浮かび構えた大剣を振り抜く。 「喰らい尽くせぇ~っ!」  巨大な火球を刀身で捉えて火球の魔力を喰らっていく。 「うぉぉぉぉぉぉっ! 」  そして喰らった魔力を反転して火球を押し返す力に変える。 「いっけぇ~っ!! 」  大剣を思いっきり振り抜くと火球はシルヴィアさんの横を抜けて空に打ち上げられる。 「っしゃあ! 俺の勝……ち……」  視界が黒くなり俺は意識を失った。
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