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再会

 李糸とシェリーは多くの天使を連れ、メビロという学者のもとに向かっていた。  メビロには以前、李糸のスキルが初代勇者の物と似ている、という話してもらったことがある。 「急に訪ねて大丈夫ですかね……」 「何とかしてみるしかないだろう」  李糸たちは着々と目的地へ向かっていた。  途中魔族に会う事もなく、比較的安全にそこに到着した。  李糸は扉をノックして、メビロの名を呼ぶ。  今回もそうしないうちに扉が開く。 「おお! 李糸君じゃないか! ……って何だいこの人数は!!!」  心底驚いたようで、しりもちをついていた。 「あ! 大丈夫ですか? 実は……」  李糸は何が起きていたのかを話した。  少し考えてからメビロは言う。 「そうか……。 きっと大天使のやつは無事だ、君の妹もね。 天使たちは、私が責任をもって保護するとしよう」 「本当ですか! ありがとうございます!」  それから、とメビロが続ける。 「きっと大天使は、君たちを探しているはずだ」 「なぜ、ですか?」 「理由はいろいろあるだろうけど、やはり戦力を増やすためだろうね。 君が一緒にいるシェリーさんは天界でも、一二を争う強さらしいからね」  シェリーがもともと強いのはわかっていたが、そこまで強かったのかと改めて認識する李糸。 「後は合流方法だけど、君は妹さんと人間界で会うことができるんだったね? 大天使もそれに気づいているだろうから、それを試してみてはいかがかな?」 「流石学者ですね……」  いやぁ! と、あからさまにメビロは喜んでいた。 「何から何まで、本当にありがとうございます!」 「大天使の友人なら、して当然のことだよ。 それに、個人的に君の事は気に入っているからね」  微笑みながら、メビロは李糸にそう言った。 「それじゃあ、早速向こう側に戻ってみます!」 「ああ、気を付けたまえ」  そして、李糸は人間界に戻るのであった。  ***** 「なんだかこっちに来るのは久々だな。 天界に行く前と何一つ変わってないや」  なんだか全てが夢だったような、そう感じるほど普通だった。  少しすると部屋の前に誰かの足音が近づく、そして、懐かしい声がする。  無事だという事が分かって安堵する、こんなに安心したのは初めてかもしれない。 「お兄ちゃん……。 居る?」  少しして言う。 「ああ。 麻里」  バンッ  と、扉が勢いよく開いて麻里が飛びつく。 「お、おい! 麻里?」 「良かった……、本当によかったよ……」  こんな麻里を見るのはいつぶりだろうか。  そうだ、天使だと知る前だ。  最近はずっと天界にいるときの麻里しか見ていなかったから忘れていたが、本当の麻里はこうだったんだ。  と気づかされた。 「麻里……。 無事だったか?」 「うん……。 お兄ちゃんはなんともない?」 「ああ! 見ての通り、ピンピンしてるよ!」  ふふっ、と麻里が笑う。  それだけで、今までの事が報われたような、心が軽くなるのを感じた。  だが、そうも言ってられなかった。 今天界は混乱しているうえに、いつ魔族たちが再び現れるかわからなかったのだ。 「麻里、俺たちは今メビロさんの所にいる。 俺と隊長、それから救出した天使たちだ」 「こっちは神殿で大天使様と助け出した天使たち、それから戦える天使たちが数名」 「分かった。 とりあえず、俺と隊長がそっちに向かう。 魔族はどれくらい残っている?」 「こっちはかなり撃退した。 遠くに少しいるかもしれないけど、神殿近くは全くいないよ」  簡単な情報交換を済ませ、二人は。 「「また会おう」」  そういい天界に帰った。  戻ると李糸はみんなを集めて、知っていることをみんなに伝えた。  それぞれ納得したようで、李糸とシェリーは迅速に神殿に向かうことが決定した。  簡単な準備を済ませると、二人は移動を始める。 「急ぎましょう隊長」 「ああ、そうだな」  李糸は、今出せる最大の速度で天界の中心にある、神殿に向かった。  途中魔族が現れたが、問題なく撃退し速やかに移動を再開した。  その甲斐もあってか、神殿には数時間で到着することができた。 「麻里!」 「無事についたんですね。 よかったです」  麻里は”メアリー”に戻っていたが、何事もなく良かった。   と、李糸はゆっくり胸をなでおろす。  その様子に、麻里は小さな声で。 「良かった」  そういった。 「大天使様! ご無事で何よりです」  シェリーは大天使のもとに駆け寄り、頭を下げる。 「シェリーよ、そう頭を下げんでよい。 天使を救出し保護したらしいな、よくやったぞ」 「いえ……。 私は我を忘れ魔族を屠っていただけです。 本当に活躍したのは李糸です」  シェリーはそういい、李糸に目を向ける。 「ほう。 よくやった、感謝するぞ」 「ありがとうございます」  こうして、李糸たちは無事に麻里たちと合流することができた。
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