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洞窟からの帰還

 村は、帰ってきた二人を出迎える様に人が集まっており、有名人が現れたがごとく声をかけられた。 「そこまで大げさに出向かなくても……」  実に慣れないものである。 が、悪いでもないなと考えてしまう李糸。  人々の間を抜け、何とか村長の家まで到着した。 「よくぞ無事に帰られました!」  村長は帰ってきた二人に労いの言葉を送り、軽い食べ物を用意してくれた。  それを食べながら、李糸は調査内容を話した。 「実は洞窟の魔素量が異常なほど濃くなっていまして、それが原因で魔物が異常発生していたんです」 「なるほど、魔素が……。 我々は魔素というのがあまり感じ取れないので、とても助かります! それで、魔物たちは……?」 「俺と隊長の二人で殲滅してきました。 ただ、もしかしたら魔物たちが、また発生するかもしれないので近づいたりはしないでください」 「そこまでしてくださって……、本当に感謝しきれないです! 俺としては少ないかもしれないですが、こちらを受け取りください」  そう、手渡されたのは朝袋に詰められた金貨数枚だった。 「これは……」  李糸が聞くと。  やはり少なかったですか……。 と答える村長。 「そうではなくて、こんなにはいただけません! これだけでいいですよ」  と中から一枚だけ金貨を取り出した。  村長は。 「それでは、勇者様がしていただいたことと釣り合いません!!」 「別にいいですよ。 ただ、どうしてもというのならば……」  ここで李糸は、村長に初代勇者の情報と金の概念について聞いてみた。 「そんな情報だけでいいのですか? ……それでは、話の短いお金のほうをお話ししましょう。 まずこちらの硬貨ですが、使用できるのは我ら亜人の国と、獣人の国のみとなっています。 天使の国と魔族の国には普通は入ることができませんから、そちらでは使えなくなってるわけですね。 それからお金の種類ですが、一般的なのは硬貨です。 あまりに大きいお金を使うの時は、一旦代理書というもので支払い。 その後、銀行に向かいそれを硬貨に代えてもらうらしいです。 硬貨にも種類があり、下から銅貨、銀貨、金貨、白金貨となっています。 銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨100枚で金貨1枚、金貨100枚で白金貨となっています。」  ここまでで、この国での金の概念を教えてもらった。  そこまで複雑ではなかったものの、金貨1枚が銀貨100枚に相当する。 というのを聞かされた後だと、手に持っている金貨がとても重く感じた。 「なるほど、こういうことですね」  と李糸は、今話を聞いたことを紙にまとめ描いていた。    銅    銀   金   白金   100万 < 1万  < 100  < 1  なかなかすごい数字になった。 「そうなりますね。 それでは次の話ですが、初代勇者の事は細かいことまではわかっていません。 ただ、15の時に受けた儀式で、自分の能力を知ったと言われています。 さらに、彼は30という若さで亡くなったと。 しかし、その時に死んだと言われていますが、彼の死体というのは見つかっていないらしいです。 今でもその死体には捜査願いが出され続けているとか」 「なるほど、因みに能力とかスキル。 そっちのほうはわかりますか?」 「そうですね……。 彼は少しの期間だけで歴代の最大レベルを超えたり、スキルの数が優に100を超えた、なんて噂は知ってますが」 「どのくらいのレベルまで行ったとかってわかりますか?」 「噂ですが1000に到達したとか……。 根も葉もない噂ですけどね」  そういい、村長は笑った。  結局その後も話を聞いたが、ほとんどのスキルのレベルが上がりきっていた、とか。 そんな話しか出てこなかった。  結局来たはいいが、まともな情報が集まることはなかった。  村長には情報などの礼を言った。 「勇者様はこれからどうするのですか?」 「取り合えず、帰りますよ」 「そう、ですか……。 よかったらまた来てください、いつでも歓迎しますので!」  そして二人は、村長と村人たちに別れの挨拶をし天界に帰る事とした。 「それにしても、疲れましたね」 「ああ、あんなに囲まれたのは初めてだったぞ」 「俺もです。 大天使には怒られますかね……」 「それはないだろう、最後は自分たちで始めたことだ。 しかし、報告はせねばな」 「ですね。 鉱石の事とかも研究したら何かわかりそうですしね」  いつも通り、軽い会話をしながら帰路についた。  この時二人は、天界で大変なことが起きているなんて想像もしていなかった。  天界につくと、そこは火の海で魔族たちが天界に侵略をしている最中であった……。
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