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ロード級の敵

 洞窟内に入って分かったことは、ここがゴブリンたちの巣だったことだ。  だいたいは普通のゴブリンだが、中にはハイゴブリンや強力な魔物も混ざっていた。  ハイゴブリンはゴブリンと違い身体も二回りほど大きく、能力もゴブリンの5倍はあった。  李糸はこれまで、気づかれずに魔物を倒してきたからか、 【バックスタブ】 というスキルも手に入れ、難なくハイゴブリンも倒すことができた。  何体も倒してかなり奥まで来たが、気配感知ではまだまだ魔物の気配がしていた。 「きりがないですね……」 「ああ、やはり魔素が濃いからその影響だろうな」  魔素の異常発生と比例して魔物も異常発生を起こしていた、そして発生しすぎた魔物は洞窟を出て、ミスト村へと流れ込んでいたのだ。 「だから村の武器がやたら使い古されていたんですね……」 「早く原因を見つけねばな」  話を済ませ二人は歩みを再開した。  それにしても洞窟は長く魔物も多かった、入ってからすでに3時間は経っていた。  急に今までの魔物とは比べ物にならないほどの気配が李糸に伝わった。 「隊長、奥にやばいのがいます」 「お前も気が付いたか、慎重に進むぞ」  そこから1km程進むと開けたところに出た、そこで待っていた魔物は。  〔名前〕 ゴブリンロード Lv.35  〔年齢〕 15  〔性別〕 男  〔種族〕 魔物  〔称号〕 従えし者 【ステータス】  HP 4386/4386  MP 3190/3190  SP 3042  最大体力値 3042  最大攻撃値 5986  最大防御値 4137  最大魔力値 2986  最大魔操値 1834  最大抵抗値 3547  最大俊敏値 2993  〈スキル〉 【瞬間治癒力 Lv.5】【瞬間体力回復 Lv.4】【物理攻撃耐性 Lv.7】 【筋力強化 Lv.2】【頑固 Lv.13】【基本魔力操作 Lv.15】 【殺気 Lv.10】【消化強化 Lv.15】【戦闘センス Lv.3】 「隊長、なかなかすごいステータスです」 「内容を言え」  李糸はシェリーに、ゴブリンロードのステータスを伝えた。 「なかなか優秀な能力だな。 よし、李糸お前がやれ」 「……え? 俺ですか?」 「聞こえなかったのか」 「わ、わかりましたよ!」  やるとは言ったが、李糸とゴブリンロードの間には能力の差が何倍もあった。  今李糸はゴブリンロードから100m程離れた場所にある岩に身を潜めていた、その間にもいくつか岩があるが50m程の所から岩は無くなっていた。  そして、敵はゴブリンロード一体とハイゴブリンが五体、ゴブリンが三体。  配置はゴブリンロードが中央に、ハイゴブリン二体が横に一体ずつ、別の所にハイゴブリン三体とゴブリン三体。 「まずは近づくか……」  そういい、シャドウサイレンスと気配遮断を使用し一番近い岩まで移動した。  李糸の隠密系スキルは最初と比べ、練度が増してきたため一切気づかれずに進むことができた。  まずは一体、李糸はワザと一番近い一体にだけ聞こえる音を出した。  興味をひかれたのはハイゴブリンだった、少しずつ音のした岩に近づく。  そして、岩の後ろを勢いよく確認する!  しかし、そこには何もなく急に意識を失うハイゴブリン。  李糸がいたのは一番近い岩ではなく、一つ隣の岩だったのだ。  敵が一番油断するのは安心した時、そこを的確についてハイゴブリンを仕留めた李糸。  早速新しい敵に狙いを絞る。  李糸は、順調にハイゴブリン二体とゴブリン三体を仕留めた。  そして残るは、ゴブリンロードとハイゴブリン二体。  流石に怪しく思ったのか、警戒する三体。  ハイゴブリン二体で仲間が消えた岩に近づき、ゴブリンロードがその後を追う。  ハイゴブリンが近づいたところで、李糸は殺気を出しながら一体を仕留める。  残った一体をシャドウカッターで首を落とした。  そのままゴブリンロードの首も狙ったが、気配を読まれたのか避けられてしまう。 「それを避けるのかよ……、まいったな」  ロードは、血肉で錆び付いたナタを片手に李糸を切りつけた。  敵の動きは早かったが、間一髪で避ける李糸。  攻撃した瞬間を狙ってシャドウカッターで攻撃。  この動作を何回も繰り返すが一度も李糸の攻撃は当たらなかった。  焦ってきた李糸に追い打ちをかけるように攻撃、李糸は避けきれず横腹をナタで切り付けられてしう。  痛みと衝撃で体勢を崩してしまった。  敵が武器を振りかざし、とどめを刺そうとした瞬間、血潮が飛び散る。 「隊長……」 「お前にはまだ早かったようだな。 要特訓だ」 「……すみません、俺……」  結局倒すことはできず、シェリーが助けに入る形になってしまった。  情けなさと、自分の無力感が李糸を襲う。 「悔しいか、ならせめてこの依頼くらい自分で達成しろ」 「はい」  傷を負った部分は、傷が塞がっていたため歩けた。  シェリーに言われたことを実行するため、マナの濃さが一番多いところを探しに行く。  広い洞窟内を、30分間探した末にそれを見つけた。 「何ですかね、これ」 「見た感じだと鉱石か」 「取ってみます」  そういい思いっきり殴りつける李糸。  ガッコン  と大きな音を立てて、それは落ちた。  紫の薄い光を放つそれは、禍々しいマナがおびただしく流れ出てきていた。 「これは大天使様に報告せねばな」  シェリーがその意思をカバンに入れると、帰るぞと一声。  李糸は少し遅れてから、 「はい!」 と反応し村に戻るのであった。
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