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勇者李糸?

 当然の疑問といえよう、村長は占い師に言った。 「え? 勇者って……、何を言ってるんだい?」 「だって、この能力値に謎のスキル、伝説と同じだ……」  やってしまったと後悔する李糸、だがすでに遅く。 「ちょ、ちょっと見せなさい!」  占い師の手にあった紙を手に取り、中身を確かめる村長。  だんだんと表情を変えていき、スキルを見終わったころ村長は話しかけてきた。 「これまでのご無礼失礼いたしました勇者様!」 「ちょっと待ってくれ! 俺は勇者なんかじゃない!」  そういっても誰も信じず、勇者が現れたという噂はすごい速さで広まっていった。  なに? 勇者様が現れた? 行ってみよう!  そんな声が聞こえてくる。 「お、おい。 本当に俺は勇者なんかじゃないんだ。 俺なんかより能力が高い奴だって要るんだぞ」 「いいえ、貴方様は勇者様と同じスキルを持っている! 勇者様一つ願いを聞いてくれないでしょうか!」  村長が勇者だという理由を言うと、願いを聞いてほしいと聞いてきた。  厄介ごとなのは確実だ。 「この村はほかの村と違い、魔界に近くなっています。 そのためか最近魔物が襲ってくる周期が短くなっているのです。 どうか、その調査と魔物の撃退をしてほしいのです!」  周りからは、お願いします! 勇者様! 勇者様! という声が聞こえ続けている。 「ま、まって……」  李糸が手に負えず困惑していると、横からシェリーが現れた。 「何をやっているんだ」 「た、たいちょ~! 実は……」  事情を話し終えると、いつものあきれ顔で。 「あほか……。 とりあえず事態を収束すには、その調査と殲滅の任務をするしかあるまい。 落ち着いたところで説得をしてみよう」 「さすがです~たいちょ~」 「うざいからやめろ」 「はい。 皆さん、わかりました。 やりましょう」  おおおお!!! という声と勇者様ー!!! という声が聞こえてくる。  二人はそんな声から逃げるように村長のもとへ行き、依頼の内容を確認する。 「魔界の国境は少し遠いんですが、近くに洞窟があります。 そこから魔物がよく現れるのです」  依頼内容と、だいたいの位置を聞きその場所に向かった。  ***** 「ここがその洞窟かー……」  村から数時間の所にその場所はあった。 「すごい濃さの魔素だな」  シェリーの言う通り、その洞窟からはとんでもない濃さの魔素が漏れていた。  その為、洞窟内と外で魔物が異常発生していたのだろう。 「とりあえず中に入りますか?」 「そうだな、中に入って魔素の異常発生の原因を調べるぞ」  そういいシェリーと共に洞窟内に入った。
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