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実力の違い

  「さぁ、話してもらおうか」  相変わらず新村は殺気を李糸に向けながら聞いてくる。  それに対して李糸は口を滑らせてしまった。 「ステータスを......、見たんだ」  言ってしまった......。 「ステータスだと?」 「あぁ......」 「言え」  くついてきやがった......。  嘘をついたら助からないかもしれない......けど。 「名前と年齢、レベルと種族が見えた......。 それだけだ」 「嘘なんてついてないだろうな」 「こんな状況でつけるかよ......」 「ふむ。 まぁ、お前のような低俗な人間が、俺たち魔族の能力を全て見る何てこと出来んだろうからなぁ」  フフっと薄ら笑いを浮かべながら新村は話を続けた。  よかった......。  騙せた。 「しかし低俗な人間でも、お前みたいなのは我々の計画の邪魔になるかも知れんからなぁ」 「殺させてもらうよ」  新村の手の平に黒く禍々しい塊を作り上げた。 出来上がったそれをこちらに投げかけ、小さく言った。 「死ね」  李糸を覆い隠す程の、黒い球が眼前に迫る。  あ、死んだ。  ......  ...  い、きてる......。  これは、眩しい......。 壁?  李糸の周りには薄い光の膜のようなものが展開されていた。 「何やってんの」  今の声ってもしかして。 「何で、隊長が......」 「大天使様にお前を見張っておけと命令されたんだ。 それから、その盾から絶対に出るなよ」  大天使が......。  っ! それより幼女に伝えないと! 「隊長、そいつはっ!」 「大人しく見とけ」  シェリーはそういい、新村と向き合う。 「全く、こんな子供にまで舐められるとは......。 それよりも明宮ぁ、お前天使なんかと関わりもっていやがったのか。 ということはお前悪魔探しをしていたってところか?」  呆れたような声で新村は続ける。 「だが残念だったなぁ! 相手がこの俺様で!!」 「いつまで独り言を続けるつもりだ?」  あれ、この幼女もしかして煽ってる?  ねぇ、ねぇ! 「おい、ガキの天使。 あまり舐めてると痛い目見るぞ」  お怒りじゃねーか! 「相手との実力差もわからんやつとはな......。 呆れるよ」 「死んどけ天使め」  新村は闇魔法で拳を塗り固め、シェリーに殴り掛かる。  が、シェリーはその攻撃を軽くかわし、カウンターで光魔法を打ち込んだ。 「ウガッ......! き、キサマァ!」  新村はその攻撃に逆上し、目にもとまらぬ連打でシェリーに殴り掛かった。  こんなバトル漫画みたいな攻撃があるなんて......。 一切あいつの動きが見えないぞ。  でも、殴った音が聞こえてこない......?  もしかして、あの幼女全部の攻撃をかわしているってのか?  途中できりがないと感じたのか、新村は攻撃をやめた。 「クソッ! ちょこまかと避けやがって! まぁ、いいさ。お前みたいなやつでも、こいつを食らったらひとたまりもないだろうからなぁ!」  そういうと新村は、手の平に赤い何かを溜めていく。  それはだんだんと大きくなっていき、直径2メートルほどの玉になった。 「お前にこれが何かわかるかぁ?」 「さぁな、どうでもいい」 「フッ、そういっていられるのもここまでだ......! こいつはなぁ、俺の業火と空気を魔素で練り上げた業火球だ。 てめぇみてぇな奴ぁチリも残らないぞ!」 「ぺらぺらと、さっきからおしゃべりな奴だな」 「フハハ、死ねぇーー!!」  新村は練り上げた火球を、魔力による推進力で高速にしシェリーに目がけて飛ばした。 「シェリー!!!」  李糸がシェリーの名前を叫び、それが終わったときにはもうシェリーがいた場所には大きな溝ができて跡形も無くなっていた。 「そ......んな」 「フヒ、ハハハ! 馬鹿な天使だ! 舐めたことをするからこうなるんだ! さて、次はお前だよ。 あけ......ゴぁっ」 「なん、だ」  新村が李糸の名前を言う前に、その言葉は途切れた。 「シェリー......?」 「気安く名前を呼ぶな」  死んだと思っていたシェリーは、新村の首を180度回転させて手を払っていた。 「全く、こんなザコに捕まるとは。 それを処分するこっちの身にもなってくれ」 「いや、そうじゃ......ないだろ」  何が起きたっていうんだ、あの時確かにシェリーはいなくなっていた......。 まさか、隠れて。 「忘れたのか、私は密偵組織の隊長だ。 あのくらいなんともあるわけないだろう......。 避けたに決まっている」  避けたって......。  いくら何でもあんな速さの玉を......。 「それにしてもゆっくりとした玉だったな。」  馬鹿な......。 なんて幼女なんだ......。  絶対に敵に回したくないぞ......。 「あのさ、ステータス見てもいい......?」 「......そうだな、どんな感じか気になるし。 許可しよう」  シェリー、ステータス表示。  〔名前〕 シェリー Lv.84  〔年齢〕 123  〔性別〕 女  〔種族〕 上級天使  〔称号〕 陰に生きる者 【ステータス】  HP 7893/7893  MP 6888/6888  SP 5704  最大体力値 5704  最大攻撃値 6932  最大防御値 7698  最大魔力値 6337  最大魔操値 6916  最大抵抗値 6885  最大俊敏値 8729  〈スキル〉 【瞬間回復Lv.9】【魔力探知 Lv.10】【魔力操作 ‹完› 】 【魔素操作 Lv.5】【中位光魔法 Lv.4】【聖矢 Lv.6】 【治癒矢 Lv.19】【完全空中浮遊】【完全浮遊操作】 【聴力強化 Lv.4】【視力強化 Lv.6】【俊敏 Lv.9】 【嗅覚 Lv.13】【気配探知 Lv.9】【障壁 Lv.11】 【気配遮断‹中› Lv.19】【投擲術 Lv.15】【隠密 ‹完› 】 【消音歩行】【魔力隠蔽 Lv.16】【消音飛行 Lv.12】  ......  ...  もう何も信じない。 「どう? どうだった?」  そんな興味津々に聞かないでくれ......。
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