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ステータス

 李糸は目の前にいる、家族の顔と名前を強く想像し 「ステータス表示」 と頭の中で唱える。  次の瞬間、目の前には大量の数字と文字が並べられたウィンドウが表示される。  〔名前〕 明宮 翠Lv.1  〔年齢〕 43  〔性別〕 女  〔種族〕 人間  〔称号〕 専業主婦 【ステータス】  HP 132/132  MP 1/1  SP 73  最大体力値 73  最大攻撃値 120  最大防御値 62  最大魔力値 15  最大魔操値 1  最大抵抗値 14  最大俊敏値 34  〈スキル〉 【自然治癒力 Lv.1】【自然体力回復 Lv.1】 ***** 〔名前〕 明宮 凛太Lv.1  〔年齢〕 15  〔性別〕 男  〔種族〕 人間  〔称号〕 【ステータス】  HP 113/113  MP 1/1  SP 85  最大体力値 85  最大攻撃値 109  最大防御値 71  最大魔力値 6  最大魔操値 1  最大抵抗値 9  最大俊敏値 52  〈スキル〉 【自然治癒力 Lv.1】【自然体力回復 Lv.1】  表示されるステータスはそれぞれによって違うらしく、事細かに数値化されていた。  母親や父親の様に、大人のため子供よりはHPが高く、子供より体力が少ない。  なかなか面白いもんだと、朝食を食べながら李糸は眺めていた。  話は変わるが、李糸は妹をとても愛していた。 弟の事は憎たらしいというほどに感じているらしいが……。  そして、そんな彼は最後に妹である、明宮 麻里のステータスを表示させる。  〔名前〕 明宮 麻里Lv.10  〔年齢〕 14  〔性別〕 女  〔種族〕 天使  〔称号〕 観測者 【ステータス】  HP 537/537  MP 539/539  SP 325  最大体力値 325  最大攻撃値 216  最大防御値 197  最大魔力値 277  最大魔操値 283  最大抵抗値 312  最大俊敏値 433  〈スキル〉 【自然治癒力 Lv.6】【自然体力回復 Lv.7】 【基本魔力操作 Lv.10】【魔力感知 Lv.10】 【光矢 Lv.2】【治癒矢 Lv.3】 【完全空中浮遊】【浮遊操作 Lv.9】 【視力 Lv.5】【聴力 Lv.4】【気配感知 Lv.5】  しかし、そこに表示されたものは今まで見てきたものとは全くの別物だった。  つい、動きが止まる李糸。  それに気づいた父親がまた声を掛けようとするが、麻里が先手を打った。 「ねぇ、おにーちゃん! 実は学校の勉強で分からないところがあって……、教えてくれる?」  麻里に声を掛けられ、ハッとする。  麻里の顔を覗く、彼女はこちらを見てニコニコとほほ笑んでいる。 しかし、違和感。  なんだ? と考え気が付く。 目が笑っていない。  そして、追い打ちをかけるように。 「ねぇ~、いいでしょ~?」  上目遣いで李糸を見つめる。 「あ、ああ」  つい、流されてしまう李糸、食事が終わり麻里に連れられ部屋に入る。  いつもなら妹のベッドに飛び乗る李糸だが、そんなことはできない。  そして、麻里は口を開く。 「見たの?」 「え?」  先ほどまでの口調とは一変、とても冷たく重たい。 「何か見たでしょ」  麻里は一気に距離を縮め、李糸に迫る。  しかし、李糸は何も答えない、目をそらし無言になる。  らちが明かないと判断したのか麻里は一歩下がる、何をするのかと観察してると急にうつむいた、次の瞬間彼女の指先が光に覆われる。  そして、麻里はその指をこちらに向け 「何を見たの」 と続ける。  李糸は何が起きているのか、頭が追い付かず無言になる。  しかし、ごちゃごちゃになっていた頭の中が一つの感情に覆われていく。 「うぐぁッ……ッ!」  それは痛み、明確な場所はわからない、しかし確かに痛みを感じる。  声を上げようとするが、彼の声は目の前の女の手に塞がれ出せない。  小さく嗚咽だけが漏れ出す。  少し経ち、痛みがマヒしてきた頃。 「何を見たの」  そして、もう一度その手を掲げる麻里。 「い、いうから! だから……!」  麻里は手を下げる。  李糸は正直に見たものを答えた。 *****  一通り話を終えると麻里は 「そんな細かいところまで……」 といい、考える素振りを見せた。  少しして、考えがまとまったのか喋り始めた。 「とりあえず、傷を治す」  そう言い指を向ける、李糸は 「ひぃっ!」 と声を上げていたが無理やり押さえつけられる。 麻里の指は先ほどと違い、薄緑に光始める。  その光を当てられると、たちまち痛みが引いていく。 「次は私についてきてもらう」  そう言い、李糸の腕をつかみ窓を開ける。 「え、何を」  麻里は何も言わない、そして窓を飛び出す。 「え、ちょっと! まて!!」  当然、李糸はパニックになる、しかし二人は落ちない。  恐る恐る瞳を開ける李糸。 「……空を、飛んでる……」  二人は地上から離れた、はるか上空にいた。 もうすぐ雲に到達するだろう。  次の瞬間李糸は意識がかすれるのを感じる。 「う……!」  なぜか、それは急に起きすぎた出来事のせいだろう。  妹は天使で、しまいには刺され、それは一瞬にして完治し、今は上空にいる。  そんなかすれ行く意識の中で見たものは、大きな鉄でできた堅牢という言葉がよく合う扉があった。  そして、彼は意識を失うこととなる。
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